昨年度から導入された東京大学の推薦入試で、昭和薬科大学付属高校(諸見里明校長)を2月に卒業した下村光彦さん(18)が工学部に合格した。沖縄県内では1人とみられる。中学生の頃からアプリやソフトウエアの開発・販売を手掛け、高校在学中に会社も立ち上げた実績が評価された。

東大の推薦入試に合格した下村光彦さん=浦添市・昭和薬科大学付属高校

 同入試は、特定の分野に強い学生を幅広く獲得するのが目的で、出願要件の厳しさで知られる。1次選考の合格者に対し、学部ごとに面接などを実施して総合的に合否を決める。今春の学部全体の合格者は71人。

 下村さんは小学生時代からプログラミングに興味を持ち、中学生になると本格的にゲーム機などのアプリ開発や販売を始め、30万円を売り上げたという。

 高校1年生のとき、県内の学生を米国シリコンバレーに派遣して起業家精神を養成する人材育成プログラム「琉球フロッグス」に参加。2年時には、開発した買い物代行サービスの信用度を高めるため、株式会社ジェントリズムを起業した。

 アプリ開発やビジネスの一方、学業も怠らず推薦入試を突破した。下村さんの将来の夢は研究者。「人工知能やコンピューターの性能は近い将来、人間の脳に追い付く。『技術的特異点』といわれる時代を第一線で迎えたい」と好奇心いっぱいだ。