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【プロ野球】

<WBC>岡田、世界一になる! 侍きょう初陣キューバ戦

2017年3月7日 紙面から

試合前日、キャッチボールで調整する岡田=東京ドームで(河口貞史撮影)

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 つかめ、世界一−。岡田俊哉投手(25)の臨戦態勢が整った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初戦のキューバ戦に向け、侍ジャパンの前日練習が6日、東京ドームで行われた。岡田は「しっくりきている。良いパフォーマンスができると思う」と自信に満ちた表情をみせた。また、平田良介外野手(28)は前回大会で切り札的役割を果たした井端のような働きをみせる。

 不安、緊張、焦り:。次々と沸いてくるマイナスの感情を乗り越えた。そこには研ぎ澄まされた表情の岡田がいた。「自分としては登板を重ねてどんどん良くなってきている。やっと、しっくりきた。いいパフォーマンスが出せそうです」。張りつめた空気の中でも自分らしくいられる。極限の勝負を前に、最初の関門を乗り越えた。

 選出された当初は「自分なんか場違い」とネガティブ発言を繰り返していた。今でもその思いは変わらない。目の前で繰り広げられる菅野や則本のキャッチボール。「すごい球を投げる人ばかり」。恐縮している時間がもったいない。宮崎合宿では、則本がブルペンで投げている間、正座で15分以上見続けた。

 「ものすごくバランスがいい。右と左で違うけど、何か参考にならないかな」。少しでもうまくなりたい−。1学年上の兄に憧れて、野球を始めた小学生のころを思い出した。「ここにいられることが、ありがたい」。日の丸を背負い、ただ夢中に野球と向き合っている。

 2006年。14歳の岡田少年はボーイズリーグの関西選抜として、初めてジャパンのユニホームに袖を通した。チームメートに図抜けた存在がいた。「エゲつないバッターだった」。対戦すれば、軽々とホームランを打たれた。「追い込まれても絶対に打つポイントを変えないんです。普通なら当てに行く場面でも。そんな中学生いないでしょ」。それが侍の4番に座る筒香との出会いだった。

 「頑張ろうな」。合宿中に互いの健闘を誓った。「背負っているものが違うけど、こうやってまた一緒にできるのがうれしい」。あれから11年。勝ちたいと心底思う。

 ブルペンの力なくして世界はとれない。小久保監督はチームの持ち味を尋ねられ、「投手力の高さというところ。勝つならそこしかない。前面に出してやりたい」と語る。権藤コーチも「毎日、臨戦態勢」と総動員で臨む姿勢を口にした。明日なき戦いがまさに始まろうとしている。

 「状況に応じて、自分のやるべきことをやるだけです」。緊急登板、ワンポイント、タイブレーク。あらゆる事態を頭に入れた。「世界一になりたい」。日本中の視線の先で、岡田俊哉のすべてをぶつける。(土屋善文)

 

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