ソウル=牧野愛博
2017年3月6日21時50分
北朝鮮は6日朝、西部の平安北道東倉里(トンチャンリ)付近から東方向に弾道ミサイル4発を続けて発射した。4発は1千キロ前後飛行し、3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下。ほぼ同時に異なる目標を攻撃する想定で弾道ミサイルを発射したのは初めてとみられる。
韓国軍合同参謀本部は、最高高度が260キロだったことから、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が発射に向けた「最終段階」としていた大陸間弾道弾(ICBM)の可能性は低いとした。ともに核弾頭を搭載できるとみられるスカッドER改良型(射程1千キロ)かノドン(同1300キロ)の可能性が高いが、固体燃料を使った新型ミサイルの可能性もあり、慎重に分析している。
同本部などによれば、北朝鮮は真北を0度として角度を75度から93度の範囲でミサイルを発射。方角を調整し、あえて別々の場所を狙ったとみられる。4発の落下地点はそれぞれ100キロ前後離れ、南北に300~350キロの範囲に広がっている。10分以内の間に次々と発射したとみられる。
軍事関係筋によれば、海上自衛隊のイージス艦の場合、1隻が同時に迎撃できる弾道ミサイルは2発程度。日本の弾道ミサイル防衛は、イージス艦と地対空誘導弾パトリオット3で構成するが、離れた場所に同時に攻撃を受けた場合は迎撃が難しくなる。北朝鮮は今回の発射に、イージス艦の迎撃能力を打ち破る狙いも込めた可能性がある。
北朝鮮は昨年9月5日、計3発…
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朝日新聞国際報道部