バークシャー・ハサウェイの年次会計報告書で
バフェットがバンク・オブ・アメリカに言及
先週末、バークシャー・ハサウェイの2016年の年次会計報告書が発表されました。その冒頭に掲げられるウォーレン・バフェットのメッセージは、アメリカの投資家にとって必読であり、そこに書かれていることに関し、投資コミュニティの中でいろいろな議論が巻き起こることで知られています。
今回のバフェットからのメッセージでとりわけ注目された点は、バンク・オブ・アメリカ(ティッカーシンボル:BAC)に言及していた点です。
普通、我々が「バフェット銘柄」と言った場合、アメリカン・エキスプレス(ティッカーシンボル:AXP)、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)、コカコーラ(ティッカーシンボル:KO)などがイメージされ、これまでバンク・オブ・アメリカは注目されてきませんでした。
その理由は、バフェットが優先株を通じてバンク・オブ・アメリカに投資してきたので、そのポジションの大きさが、一般の投資家には把握しにくかったことによります。
しかし、ここへきてバフェットは、バークシャー・ハサウェイのバンク・オブ・アメリカへのコミットメントを積極的にアピールし始めています。その関係で我々一般の投資家も、ようやくバフェットがすごくバンク・オブ・アメリカに肩入れしていることに気がつき始めたというわけです。
バンク・オブ・アメリカの創業は1904年
メリルリンチなどの買収により、経営危機に
バンク・オブ・アメリカは、1904年にサンフランシスコで創業されました。1906年にサンフランシスコ大地震が起きましたが、同行は顧客の預金をいち早く安全な場所へ移したため、サンフランシスコの街が大火事に包まれたときも難を逃れました。
そして焼野原で、二本の樽の上に板を置いてデスクとし、この青空支店で復興のための貸付を行ったのです。
バンク・オブ・アメリカは、1960年代までに西海岸を代表する有力銀行となり、とりわけ法人への貸付と国際業務に強い銀行としての評判を築きます。同行が1969年に建てたカリフォルニア街555番地の本店は、52階建て237メートルの高層ビルで、映画「ダーティー・ハリー」や「タワーリング・インフェルノ」で有名になりました。
その後、同行は、1998年にネーションズバンクに買収されます。当時のネーションズバンクは、ヒュー・マッコールという立志伝中の経営者の下で急成長を遂げていました。マッコールは、ネーションズバンクよりバンク・オブ・アメリカの方がブランドとして消費者に良く浸透していたので、敢えて被買収企業の社名を残す決断をします。
2008年にサブプライム・ローン問題が顕在化し、金融セクターが不安に包まれる中、バンク・オブ・アメリカは住宅ローンを得意とするカントリーワイドを買収します。また政府からの強い要請もあり、経営危機に瀕していたメリルリンチを買収します。
しかしこれらの買収は、バンク・オブ・アメリカそのものの経営を危うくしました。そこでバンク・オブ・アメリカは2011年8月にウォーレン・バフェットの経営するバークシャー・ハサウェイに50億ドルの出資を仰ぎます。
バークシャー・ハサウェイがバンク・オブ・アメリカに出資
現時点で78億ドル相当の含み益に
このときバンク・オブ・アメリカがバークシャー・ハサウェイに対して発行した優先株は、6%の利回りが確約されていたうえ、2021年までに行使価格一株当たり7ドル14セントで7億株のバンク・オブ・アメリカ株を取得できるワラントが賦与されていました。先週金曜日のバンク・オブ・アメリカの引け値は25ドル44セントなので、一株当たり18ドル30セントの含み益になっているのです。
このため、ワラントの行使期限である4年後までのある時点で、バフェットが50億ドルを投じてバンク・オブ・アメリカのワラントを行使するのは確実です。その場合、現在同行の発行済み株式数は110億株なので、約6.3%の希釈化(既存株主の比率が薄められること)が起こります。
実はゴールドマン・サックスも金融危機の際、これと似たカタチでバフェットから支援を受けました。バークシャー・ハサウェイは、ゴールドマン・サックスの発行する優先株50億ドル分に投資する引き換えに、ゴールドマン・サックスの普通株4350万株を一株当たり115ドルで買うワラントをもらったのです。このワラントは、後に約20億ドルの含み益になりました。
ゴールドマン・サックスは、バークシャー・ハサウェイがワラントを行使すると発行済み株式数がドンと増えてしまうので、この20億ドルの含み益分に相当する1310万株を無償でバークシャー・ハサウェイに渡すことで大きな希釈化を避けました。
バンク・オブ・アメリカの経営陣は、このゴールドマン・サックスの事例に倣い、バフェットがバンク・オブ・アメリカのワラントで稼いだ78億ドルの含み益分に相当する3億株のバンク・オブ・アメリカ株を無償でバークシャー・ハサウェイに渡すことで希釈化を2.7%に抑える作戦に出ると予想されます。
投資対象としてのバンク・オブ・アメリカを評価
消費者向けビジネスが中核に
さて、バフェットとバンク・オブ・アメリカとの関わり合いがわかったかと思いますが、ざっくばらんに言って、投資対象としてのバンク・オブ・アメリカというのはどういう存在でしょうか?
まず売上高で言うと、バンク・オブ・アメリカはJPモルガン・チェース(ティッカーシンボル:JPM)、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)に次いで第3位です。
株主資本利益率では、他行より後れを取っています。
バンク・オブ・アメリカは、次の4つの部門からなっています。それぞれの部門が、去年より良い成績を出しています。中でも消費者向けビジネスは、同行の中核となっています。
消費者向けビジネスでは、住宅ローンの融資残高の伸びが著しいです。
同行の貸付内容は健全であり、焦げ付きは低水準です。また資本は強固で安定的な貸付け原資となる預金の伸びも良好です。このことは、同行がまだまだ貸付けを伸ばしてゆく余力があることを示唆しています。
折からアメリカ経済は好調で、連邦準備制度理事会(FRB)は今年3回程度の利上げを行うという観測が強まっています。
このことは現在、過去最低水準あたりをウロウロしている貸付け利ザヤが今後、じわじわと拡大することが期待できることを意味します。
【今週のまとめ】
バンク・オブ・アメリカの今後の業績にはウォーレン・バフェットも期待
ウォーレン・バフェットは、アニュアル・レポートの中でバンク・オブ・アメリカの優先株への投資が安定した配当収入を生んでいることに言及しました。それに加えて、ワラントが大きな含み益になっていることを指摘しました。
バンク・オブ・アメリカの業績は、米国経済の好調の恩恵を受けます。特に今後金利が上昇する局面では、貸付け利ザヤの拡大が期待されます。
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