四倉幹木、工藤隆治
2017年3月5日20時07分
長野県の防災ヘリ事故で総務省消防庁は職員5人を現地へ派遣し、埼玉、岐阜、愛知の3県に応援を要請した。長野県と相互応援協定を結ぶ山梨県も合わせ、計4県から長野県に向けてヘリが出動した。
救急や災害対応、山岳事故への対応などのために運航するヘリのニーズは高まっている。消防白書によると、2016年11月現在で総務省消防庁や自治体が保有する計76機が、佐賀、沖縄両県を除く45都道府県に配備されている。消防庁によると長野県は1997年に初めて、今回の事故で墜落したヘリを導入した。
15年の全国の出動件数は6842件。救急が最も多く3308件、次いで救助が2218件だった。同年の総運航時間は1万8430時間で、うち訓練が最も長く1万581時間(57・4%)を占め、次いで災害が5571時間(30・2%)だった。
ベテラン操縦士の大量退職が今後見込まれており、高い技術を持つ操縦士が不足しつつある。白書によると、24時間態勢で運航できることが必要だが、操縦士不足のために態勢が十分でない自治体もあるという。
ベル・ヘリコプター社のホームページなどによると、今回事故を起こしたベル412EP型機は最大15人乗り。内部が広く、乗客や積み荷を多く載せられるため、世界で遭難救助などに使われ、日本では自治体の防災ヘリや全国の警察、海上保安庁などで約50機の採用実績がある。09年には同型の岐阜県の防災ヘリが、北アルプスの奥穂高岳近くで救助活動中、岩壁に回転翼をぶつけて墜落し、乗員3人が死亡した。10年には香川県で海保のヘリが電線に接触し、5人が死亡している。(四倉幹木、工藤隆治)
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朝日新聞社会部