高速夜行バスに「高級化」の波が起きている。大手バス3社が1月に、高価格帯のバスを東京と大阪を結ぶ路線に投入すると相次いで発表したのだ。業界初の全室個室という座席レイアウトや片道運賃が2万円というこれまでの「低価格戦争」とは一線を画す動きだ。価格競争で疲弊するバス業界に一石を投じることになるか。
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両備ホールディングスと関東バスは、業界として初めて全11室が完全個室となった「DREAM SLEEPER 東京・大阪号」の運行を1月18日から開始した。
背もたれの角度を40度、座席の角度を30度、フットレストを胸の高さで水平にする「ゼログラビティ姿勢」、凸面で身体を支える「ムアツクッション」によって、寝返りを打つ必要性がないというのが大きなポイント。ウェルカムアロマや除菌消臭効果があるプラズマクラスター、温水洗浄トイレ、パウダールームを設けるなど、インテリアもさることながら、至る所で高級感も演出されている。乗客の状況を把握するためにルームミラーで室内が見渡せない難点は、全室にカメラを設置することでカバーし、乗客が座った状態ではカメラに映らないようプライバシーにも配慮した。緊急時には室内にある通報ボタンで乗務員に状況を知らせることができる。
両備ホールディングスの松田敏之副社長は「安かろう、悪かろう、眠れないというイメージがある。夜行高速バスは寝ていただくのが目的で、寝ている間に移動できる最大の魅力をどういう風に作っていくかといったらこういう形になった。」と、開発に至った経緯を夜行バスの魅力を追求した結果であると話す。
大阪方面行きは池袋駅西口を午後10時50分に出発し、なんば(OCAT)に翌日午前7時30分に到着。東京方面行きはOCATを午後10時40分に出発し、池袋駅西口には翌日午前6時40分に到着する。夜行バスにもかかわらず、大人片道運賃は2万円(通常期)。2月末までは「運行記念割引」として2000円引きの1万8000円で利用できる。
計画は両備ホールディングス側からの提案から始まった。導入費用は約1億円で、うちバス本体の価格は約4500万円。損益分岐ラインは8人だが、「11人に乗って頂けるのではないか」(松田副社長)と自信を示す。
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