ハルキストだ。
目覚めたのは高校生の頃。
たまたま手にしただけなんだ。嘘じゃない。
ちょうど年頃だったので恋愛やらセックスやらの話が読みたかったんだ。
1q84は楽しかったし、多崎つくるは80点くらいで正直あの話題になったアマゾンレビューの方がクリエイティブだったかな。
彼女には俺がハルキ好きなこと伝えている。好きになった経緯も、好きなところも。
でもだめだ。
もうハルキをディスるのが体に染みついているみたいで、ご飯食べて仲良しムードになった帰り
「どこが楽しんだろうね」
とディスってきて、俺は「そうだね」と返した。
それ以外返せなかった。
「ハルキストの男たちはみなセックス下手って友達と言ってるw」
「ハルキストは厨二」
そういう言葉に俺は心えぐられてきた。
もう、たくさんだ。
どうやら俺はここまでだったようだ。
あとは任せた。
本当に好きだったんだよ、嘘じゃない。今でも目をつむればあのころのことを思い出せる。
でも思い出すのに時間がかかるようになっただけなんだ。