米国株投資ブロガーの皆さんがおすすめする投資本10選
米国株投資というのはまだまだマイナーです。そのため、関連書籍も多くはありません。しかし、多くはないものの、米国内で出版された書籍が日本語訳として日本国内で出版されるケースがあります。
この場合、すでに「売れた良書」というフィルターがかかっているので名著であることが多いです。訳者次第なところもあるのですが、時代を超えて読まれる投資本に出会えることもあります。
米国は投資の歴史が古いです。また、金融商品も最先端を行っており、株主の立場も非常に尊重されています。たとえばバンガードやブラックロックのETF群の信託報酬を見てもそうですし、高配当銘柄や連続増配銘柄の配当への考え方を見てもそうです。
そういう金融先進国の米国で売れた本ですから、質が高いのはある意味当然と言えるのかもしれません。そのため、おすすめの投資本10選は訳書がほとんどです。
先日、米国株投資ブロガーが東京に集まりオフ会を行ったのは記事にしました。そこで話題になった書籍がありますので、改めてコメントと共にご紹介したいと思います。米国株投資に対して深い造詣を持つメンバーが一致して話題にした本ですので、どれも一読の価値があることは間違いありません。
米国株投資家が全員一致で選んだ良書4選
1位「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」
- 作者: ジェレミー・シーゲル,瑞穂のりこ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
通称「赤本」です。この本によって米国株投資に目覚めたというブロガーさんもいますね。私にとっても、長期投資を確信を持って行うようになったきっかけとなった本です。名著であることは疑いのないところです。本ブログでもたびたび取り上げてきました。
2位「敗者のゲーム」
2位はチャールズ・エリス氏の名著です。投資というと「勝ち」に視点が向きがちです。しかし、「敗者のゲーム」では「負けない投資」に焦点を当てています。小さな勝ちを積み上げ、大負けしない投資術が紹介されています。この本も本ブログでたびたび取り上げました。
3位「ウォール街のランダム・ウォーカー」
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
3位は「ウォール街のランダム・ウォーカー」です。バートン・マルキール氏による本書はインデックス投資の優位性について述べてあります。一方、チャート分析による売買については辛口です。良書ですが、やや読みにくいという指摘もありました。
個人的にはバートン・マルキール氏のシニカルな言い回しは好きです。
4位「株式投資」
- 作者: ジェレミー・シーゲル,藤野隆太,林康史,石川由美子,鍋井里依,宮川修子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: 単行本
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
4位はジェレミー・シーゲル氏による「株式投資」です。1位の赤本が実践編であるとするならば、緑本は理論編に近い存在です。はちどうきゅうどうさんの一押しで、随所にみられた本書への書き込みから思いが伝わってきました。
ジェレミー・シーゲル氏にはこれとは別に青本もあります。しかし青本は今回話題に上りませんでした。この4位までが全員一致で良書ということでした。
話題に上がった5位~10位のおすすめ投資本
5位から10位です。順位付けは私見ですので、参考程度にご覧ください。当然ですが著者により主張がそれぞれありますし、読者の立場によって変わるからです。
5位「千年投資の公理」
5位は「千年投資の公理」です。本書はモニベルさん一押しでした。モーニングスター社のディレクターだったパット・ドーシー氏が著者です。ワイドモート、つまり「経済的な堀」について具体的業種、銘柄を上げて分析しています。
バフェット氏によって広く知られるようになったワイドモートの発想ですが、もはや長期投資を目指す人にとって、常識になったと言って良いでしょう。ただし、それを定性的に分析して見抜くのは知識と経験、センスが必要です。
6位「マネーと常識」
- 作者: ジョン・C・ボーグル,林康史,石川由美子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/08/09
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
バンガードの創始者であるジョン・C・ボーグル氏の著書です。現在品薄で、プレミアがついています。適切な業種、銘柄への投資は「プラスサム」ゲームになるという主張です。これはまさしく米国市場へのインデックス投資ということになります。
米国市場の優位性が確認できる名著と言ってよいでしょう。【L】レバレッジ投資実践日記 のエルさんおすすめの本です。
7位「全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦」
- 作者: ジムクレイマー,James J. Cramer,井手正介,吉川絵美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 45回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
ジム・クレイマー氏の投資本です。くうねるさん一押しです。本書ではバイ&ホールドではなく、バイ&ホームワークと主張しています。買ったら引き続いて銘柄研究をせよ、ということです。そのため、最大15銘柄程度の保有株が理想としています。それ以上増えるようなら投信やETFということです。
また、投機的な投資も勧めています。そういう意味ではこのランキングの中ではちょっと異色と言って良いでしょう。 他にも、セクターローテーションや分散投資の考え方も学べます。
8位「株で勝つ」
- 作者: ピーターリンチ,ジョンロスチャイルド,Peter Lynch,John Rothchild,三原淳雄,土屋安衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 68回
- この商品を含むブログ (47件) を見る
投資界のカリスマであるピーターリンチ氏による伝説的名著です。「落ちるナイフが地面に突き刺さり、しばらく揺れ動いた後しっかり止まってからつかむのが投資の正しいやり方」という名言からわかるように、長期逆張り投資というスタイルです。
業績回復株への投資の指南書と言っても良いでしょう。本書はモカヲさんおすすめでした。逆張り投資時代の自分を少し思い出しました。レベルは全然違いますけどね。
9位「賭けの考え方」
- 作者: イアン・テイラー,マシュー・ヒルガー,フジタカシ
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2011/08/12
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
サブタイトルが「勝ち組ポーカープレイヤーの思考習慣」となっています。ここまで紹介した本とは違い、これは投資本ではありません。ポーカーを切り口として、投資や日常生活に援用できるヒントが書かれています。
投資界の重鎮、山崎元氏が絶賛されていたことでも有名になりました。これもモカヲさんご推薦です。
10位「野村證券第2事業法人部」
これは私のおすすめ本です。いずれ記事化しますが、ここでも紹介しておきます。日本でトップの証券会社の儲け方、株に対する考え方、顧客への考え方がドロドロと描写されています。
出版は最近ですが描かれている時代が古いです。そのため、今は全てがこの通りというわけではありません。しかし、前述の書籍群の投資の考え方と本書で示されている証券取引の考え方の差は、そのまま米国株投資と日本株投資の環境の差だったと言って良いでしょう。
もちろん現在はここまでひどくないでしょうが、金融庁が改革しようとしていることはまさにこういうことであり、今後の金融行政には注目しています。日本の金融商品が金融庁が言うように顧客本位になり、後進性が払しょくされることを願ってやみません。
関連記事です。
バンガード創始者、ジョン・C・ボーグル氏がいうところのプラスサムゲーム。米国株インデックス最強説。
2016年、読んだ本に限定した記事がこちらです。
私はこの記事に登場した、この3冊を特に推します。