どんぶらこっこ!沼津の「喫茶どんぐり」は水に流してあんみつを運ぶ
静岡県・沼津駅から歩いて5分。
人通り少ないアーケード街のすぐそば、落ち着いた空気感のエリア。
その片すみにレトロな外観の喫茶店「どんぐり」がある。
ショーケースにならぶフルーツポンチが色鮮やかだ。
昔ながらの喫茶店でのんびり体を休ませようと、なかに入ってみると……
水が流れて、桶がプカプカ浮かんでる!!
U字型のカウンターに水が流れて、回転寿司のベルトのようにメニューを運ぶしくみなのだ。
水の流れは東海道に見立てられていて、席ごとに「三島」「沼津」「四日市」などと書かれている。
41年前からこのスタイルで営業しているらしく、店長さんいわく「リバーカウンターって言って、昔はやってる喫茶店がけっこうあったよ」とのこと。
製造会社がなくなったので、今ではほとんど見かけなくなってしまった。
水で流すことになんの意味があるのか。完全なエンターテイメント要素だろうか。
回転寿司と通じる疑問を店長さんに投げかけると、「これならホール係がいらなくていいでしょ」とのこと。
なるほど、たしかにホールがいらない。
まずは券売機で食券を買う。
フルーツポンチやパフェ、ドリンク以外にも、きしめんやおでん、お茶漬けといった軽食メニューも豊富にそろっている。
購入した食券はホルダーに挟んで
桶にいれて流す。
厨房のスタッフが注文を確認。できあがったメニューを桶にのせて流してくれる。
メニューが運ばれてくるまではジュークボックスで「ボヘミアン・ラプソディ」を流して待った。
大音響で歌われるママ~を聴きながら、水の流れをじっと見つめる。
ほかのどこでも経験したことのない不思議な5分間であった。
一連の流れを動画におさめた。
席のランプが光るので見逃さずに受け取ろう。
▲フルーツポンチ
▲あんみつ
ボリューム満点でクラシックなフルーツポンチとあんみつをいただく。
はじめての私には珍しい光景でも、地元の人にとってはいつもの喫茶店。
「変わった店にいってみよう」というノリでもなく、普段使いするようだ。
まるで自分だけ外国人になって回転寿司に驚いているような、そんな不思議な感覚だった。
食べ終わったら桶にのせて流して終了。
リバーカウンター、再ブームおこったらいいな。
◎取材・文:松澤茂信(Twitter)
観光会社「別視点」の代表。「東京別視点ガイド」を書いてます。
◎撮影:齋藤洋平(Instagram)
観光会社「別視点」の副代表。観光カメラマン。
投稿ありがとうございます。
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