【北京=藤本欣也】米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備をめぐり、中国は「民意」を盾に、韓国への“報復”を正当化している。「韓国に思い知らせるには経済制裁だけでは不十分だ」(中国共産党機関紙、人民日報の丁剛・高級記者)との声もあり、今後、外交・軍事面でさらなる対応に乗り出す可能性も取り沙汰されている。
中国外務省の耿爽報道官は3日の記者会見で、一連の“報復”措置について肯定も否定もせず、「中韓両国間の交流と協力を進めるには、民意の基礎と世論の雰囲気が当然必要だ」と指摘。「民意に耳を傾け、中韓関係と両国間の交流・協力がさらに損害を受けないよう必要な措置を取るべきだ」と韓国側にTHAADの配備撤回を求めた。
中国はTHAADの韓国配備に対し、(1)高性能レーダーで中国国内まで監視される(2)北朝鮮のミサイルだけでなく、中国のミサイルも無力化される−などとして強く反対している。
一方、人民日報系の環球時報は3日付社説で、「対韓制裁は政府や関連企業を標的にすべきで、中国在住の一般の韓国人を対象にすべきではない」と主張し、一連の“報復”措置が暴力的な反韓デモに発展しないよう自制も促している。
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