【萬物相】中国の「観光報復」、日本はいかに克服したか

　これは当時から始まった円安の影響もあったが、日本の文化が韓国人にとってなじみ深いものだったことも大きかった。アニメやキャラクター、ファッション、寿司、ラーメン、日本酒など、日本は様々な文化であふれている。また日本政府は新たなコンテンツを次々と開発し、これによって危機を克服した。さらに外国人による免税品ショッピングの手続きを簡素化し、商品も増やした。コンビニでも簡単に税の還付を受けられるようにした。日本は自らを振り返ることで従来のやり方を見直し、外国人にとっても非常に便利な国に生まれ変わった。これまでも日本は危機に直面するたびにこれを逆に利用して自分たちの改革につなげてきた。それは観光でも同じだったのだ。

　その後、中国は日本向け観光の規制を緩和したが、その理由は明らかではない。両国の首脳会談を前に、特に発表もないままいつしか規制は緩和された。しかも尖閣諸島の領有権問題で日本は何も譲歩していない。米国との同盟を強化することで、中国に対しては逆に強硬姿勢を強めている。また南シナ海の人工島問題でも米国と連携して中国に対抗している。1つ言えることは、日本は清潔さ、礼儀、親切、正直さに加え、豊富な観光資源によってその力を発揮してきたという事実だ。一般の中国人たちは誰もがそのような日本と日本の文化を楽しみたかったのだろう。そう考えるとわれわれはどのような強みを持っているのだろうか。われわれも今改めてその点を考えてみるべきだろう。