【萬物相】中国の「観光報復」、日本はいかに克服したか

【萬物相】中国の「観光報復」、日本はいかに克服したか

 日本のある名高い有名観光地から選出された国会議員は先日「中国からの観光客が増えすぎたのが悩みの種」と述べた。これは決して「うれしい悲鳴」ではない。バスや地下鉄は朝から終日満員で、市街地では日本語よりも中国語の方が良く聞こえるようになったという。かつての古都の趣がなくなってしまったと嘆く住民の間からは「一見すると日本だが、中身は中国人で一杯になった」といった不満の声も聞かれる。一部中国人観光客の傍若無人な振る舞いに、地元住民も頭を抱えているようだ。

 ところが4年前までこの議員は正反対の悩みを打ち明けていた。当時、日本を訪問した中国人観光客は131万人で、韓国にやって来た中国人観光客のわずか30%ほどだった。これが昨年は637万人に増え、韓国にやってきた800万人にも大きく近づいている。中国は2014年、自国民に対する日本への観光旅行の規制を緩和した。すると翌年、日本で流行語となった「爆買い」という言葉に象徴されるように、中国人観光客は日本へと一気に押し寄せ、日本のデパートや量販店などで大量の買い物をしていった。ちなみに中国人の人気が最も高かったのはドラッグストアなどで販売される一般の医薬品で、次が日本製の化粧品とウォシュレットだったそうだ。

 尖閣諸島の領有権問題を受け、中国が日本に対して最初に行った報復措置は日本向けの旅行規制だった。一般の日本人がその影響を肌で感じることができるからだ。それから3カ月間、日本の航空会社では中国を行き来する路線で5万2000席以上の予約キャンセルが出た。当時は13億人の中国人が全世界に観光に出始めた時で、韓国でも中国人観光客が爆発的な勢いで増加していた。このように世界各地が「中国人特需」に沸いていた頃、日本だけはその恩恵にあずかることができなかったのだ。日本にやって来た中国人観光客の数は最初の制裁で26%、2回目ではさらに7%減った。ちなみに当時、日本における中国人観光客の減少を埋め合わせたのが韓国からの観光客だった。日本を訪れた韓国人観光客も当時は毎年20-30%の高い割合で増加していたのだ。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【萬物相】中国の「観光報復」、日本はいかに克服したか

right

関連ニュース