高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を韓国政府が決定してから風向きが悪くなった中韓関係が、2月28日に韓国当局がロッテと敷地交換契約を結んで配備用地を確保したことにより一段と悪化しつつある。

 中国メディア・今日頭条は2日、「廉価な鋼材や石炭以外にも、中国はこれだけ多くの韓国業界を養っている」とする記事を掲載した。記事は「最近、韓国がある事によって中韓の友好的な貿易に深刻な影響を与えている」としたうえで、中国市場が韓国にとって大きな取引先となっている業界を複数示し、解説している。

 記事が挙げたのは鋼材、観光、化粧品、テレビ・映画、ロッテ、整形の6つ。鋼材については「中国が輸出する13%が韓国に流れている」とし、観光では「韓国を訪れる外国人観光客の55%が中国から」と説明した。

 また、韓国の化粧品輸出は中国向けが40%を占め、韓国の映画・テレビコンテンツ輸出も40%が中国向けであるとした。ロッテは業界ではなく一企業だが、まさに騒動の当事者として槍玉にあげたようである。ロッテ免税店では総売り上げの70%が中国人消費者であるとし、同社にとって中国市場が非常に重要であることを強調している。

 そして、整形業界については「韓国の医療ツーリズムにおける最大の顧客はやはり中国人。多くの中国人女性が整形目的で韓国を訪れている」とし、中国人観光客が医療ツーリズム全体の3割以上を占めていると伝えた。

 これだけ並べられると、韓国としてはぐうの音も出ないだろうか。韓国世論にとっては、中国との関係よりも国内の政情不安に注視せざるを得ない状況であり、反論する余裕はないのかもしれない。今の韓国はまさに「内患外憂」の状況だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)