任天堂は3日、新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドー・スイッチ)」を発売しました。携帯ゲーム機でありながらゲームパッド部分を本体から取り外し、本体をテレビやパソコン用モニターなどに接続することで家庭用ゲーム機としても遊べるというユニークなギミックを搭載しているのが大きな特徴です。
性能面やゲームの出来なども気になるところですが、今回は開封レポートとして本体や主な付属品などを写真とともにご紹介したいと思います。
■想像以上に持ちやすくてJoy-Conギミックが面白い!
今回、筆者が購入したのは本体とJoy-Con充電グリップ、Nintendo Switch キャリングケース、そしてゲームとして「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下、ゼルダの伝説)です。Nintendo Switch対応ゲームは小さなカード型のROMカートリッジで販売されますが、ダウンロード販売にも対応しています。
本体同梱のJoy-Conには2種類のカラーバリエーションがあり、筆者が購入したネオンブルー・ネオンレッドのタイプ以外にグレー単色のものがあります。写真ではJoy-Con[R]の色が蛍光オレンジに映っていますが実際は蛍光ピンクに近い色です。
本体には取扱説明書のようなものは同梱されておらず、外箱の側面に簡単な初期設定方法が書いてあるのみです。詳細は仕様や取り扱い方法についてはスマートフォン(スマホ)などでQRコードを読み込みオンラインサイトを参照するよう指示されています。
それではいよいよNintendo Switch本体を取り出してみます。本体サイズは縦102mm×横239mm×厚さ13.9mmで画面は6.2インチのHD(1280×720ドット)、重量は398gとなっています。
携帯ゲーム機としてはかなり大柄ですが8~10インチタブレットを使い慣れている人なら違和感のないサイズと重量感です。タブレットとの大きな違いはJoy-ConのZL・ZRボタンが背面側に大きくせり出すように隆起しているため、両手で持った時のフィット感が抜群な点です。
Joy-Conの角が丸くなっているため、手に持った時に手のひら中央のくぼみにピッタリと収まる感覚があり、指も自然とZL・ZRボタンにフィットするためホールド感が見事です。画面サイズが5インチや7インチではなく6.2インチというサイズになったのも、画面サイズありきではなくJoy-Conのサイズありきであったのだろうと想像ができます。
Joy-Conと本体は上下にスライドさせるようにして接続します。その構造上Joy-Conがガタついたり接続部分が折れるような心配もしましたが、接続に使用されるレール部分は金属製で高い剛性感がありガタつきなどは一切感じられませんでした。
ただ、レールの形状が上下同じであるために左右逆にも取り付けられてしまうため、誤って取り付けて外れなくなる事故なども考えられるのが不安点ではあります(実際、筆者は後述するストラップを逆接続してしまい危うく外れなくなる事態に)。
microSDカードスロットはスタンド部分の内側にあり、容量はmicroSDXCの規格上限(2TB)まで対応しています。microSDXC規格のメモリーカードを使用する際は本体のアップデートが必須となるため、インターネット接続が可能な無線LAN(Wi-Fi)環境がない場合は利用できない点にご注意下さい。
本体のストレージ容量は32GBとなっており、あまり大きくないためmicroSDカードの利用はほぼ必須です。とくにゲームソフトをダウンロード購入する場合、ゲームソフトによっては20GB前後も容量を使うため、microSDカードの利用を必須条件としているものもあります。
2017年3月現在、microSD(microSDXC)カードは256GBまで市販されており、128GB以下であれば比較的安価に購入できるようになってきています。ゲームをダウンロードで購入する予定で頻繁にメモリーカードを入れ替えたくない人は大きめの容量のものを購入しておくと良いでしょう。
日本サムスン
2016-04-08
シリコンパワー
2016-11-20
■付属品や周辺機器もユニークなギミック満載!
本体に同梱されている付属品はACアダプター、HDMIケーブル、Nitendo Switchドック、Joy-Conストラップ、Joy-Conグリップなど。Joy-ConグリップはJoy-Conを本体から分離させワイヤレスゲームパッドとして。利用する際に使います。
Joy-Conストラップも同じようにJoy-Conをワイヤレスゲームパッドとして利用する際に使用しますが、こちらはJoy-Conも左右別々に使ったり、各Joy-Conを2人で利用する場合などに用います。
別売りのJoy-Con充電グリップは、グリップ自体にACアダプターなどを接続してJoy-Conに給電しながらプレイできるようにするものです。このグリップ自体にバッテリーが搭載されているわけではありません。
Nintendo Switch本体をドックに接続し、常時Joy-Conを本体から外してゲームプレイを行う場合などには必須になると思われます。
Nintendo Switch キャリングケースもなかなかのアイデア商品です。単なるキャリングケースではなくケース自体がスタンドとして利用できる構造になっており、安定感に欠ける本体付属のスタンドを使わなくても安心して立てかけられるようになっています。
ゲームソフトは縦長のケースで販売されますが、ゲームカードはSDカードよりも若干小さいため、もう少しパッケージサイズが小さくても良かったようにも思われます。
各種カードのサイズ比較。左からSDカード、Nitendo Switch、Playstation Vita、Nintendo 3DS。Nintendo SwitchのゲームカードはVitaとほぼ同じで最小サイズだが若干厚みがある
■筆者評価は80点。チャレンジ精神と遊び心を感じるゲーム機
筆者は知る人ぞ知るコアゲーマーでこれまで国内で発売されてきたゲーム機のほとんどに触れてきましたが、Nitendo Switchは見た瞬間に欲しくなった久々の機種です。携帯ゲーム機と家庭用ゲーム機の「いいとこ取り」とも取れるJoy-Conの着脱ギミックも然ることながら、それをただの物理的なギミック留めず左右別々のゲームパッドとして動作するようにした点や、モーションセンサーを搭載してWiiの「ヌンチャク」コントローラのように遊べるようにした点は、これまでの任天堂ゲーム機の集大成と呼ぶに相応しいユニークなギミックに仕上がったのではと感じます。
一方でゲーム機としての性能はさすがに最新の家庭用ゲーム機には及ばず、特にグラフィックス面では同社の家庭用ゲーム機「Wii U」世代と同等程度かそれ以下というバランスに留まっています。これは携帯型にした時点で割り切らざるを得ない点ですが、ゲーム機としての評価を大きく落とすポイントになるかどうかはプレイヤー次第と思われます。
またバッテリー持続時間も本機のウィークポイントとして挙げられるかもしれません。公称値では約2.5~6.5時間となっており、ゼルダの伝説では2.5~3時間程度しか持たないため、バッテリー駆動では良くも悪くも物理的に長時間プレイが出来ない仕様です(ゲームを遊びすぎないためにもそのほうが良いという前向きな発想もできる)。本体の充電端子(USB Type-C端子)が下面にあるため、スタンド状態で充電ができないという点も不満が残ります(サードパーティ製の充電用スタンドなどを用いることで対応は可能)。
ゲームではローンチタイトルとして登場したゼルダの伝説が、まさに「伝説」を作る勢いで各ゲーム系メディアによって非常に高い評価を獲得するなど、任天堂らしい安定したゲームクオリティが今後も期待できそうです。
本体価格は29,980円と決して安くはなく、またmicroSDカードもほぼ必須となるため初期投資はそれなりにかかりますが、それに見合ったゲーム体験を得られる素晴らしいゲーム機ではないでしょうか。
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