福岡県糸島市の消防本部の男の職員13人がパワーハラスメントをしていた問題で、市は3日、中心的なメンバーだった予防課係長(43)を懲戒免職、警防課課長補佐(45)を分限免職とし、残りの11人も停職や戒告などの処分にした。また、上司の消防長ら5人も戒告処分とした。
市によると、係長ら3人は2011年10月~12年3月、体に結んだロープを鉄棒とつないだ状態で若手職員に懸垂をさせた。その職員が力尽きて手を離すと、そのまま約30分間宙づりにした。別の職員に対して「ぶっ殺すぞ、お前」などの暴言も吐いた。
課長補佐は勤務時間中に席を離れて喫煙室などで長時間過ごしたり、職場で上司に対して「ポンコツ」「ぼんくら」などと暴言を吐いたりした。
別の職員たちは、部下に防火服を着たままで腕立て伏せを100回~1000回させるなどしていた。08年ごろからパワハラがあり、消防本部の職員100人のうち約30人が被害を受け、14~16年に計3人の若手職員が退職した。
処分された職員たちは「あくまでも訓練だった」などとしてほとんどのパワハラ行為を否定している。月形祐二市長は記者会見して「市民の信頼を裏切る行為。卑劣な行為が長年にわたって行われ、大変腹立たしい」と語った。【川上珠実】