ホームに入る岡山発下関行きの最後の普通列車=岡山市北区のJR岡山駅で2017年3月3日午後4時13分、高橋祐貴撮影
定期の普通列車としては運行距離が国内最長のJR山陽線岡山発下関(山口県)行き列車が3日、最後の運行をした。ダイヤ改正に伴い廃止されたもので、岡山駅(岡山市)では出発時刻の午後4時17分、別れを惜しむ鉄道ファンらがラストランを見守った。
JR西日本岡山支社によると、この運行は昨春のダイヤ改正で誕生。4両編成の列車で、82駅に停車しながら384.7キロを7時間33分かけて走っていた。だが4日に東広島市に新駅ができることもあり、ダイヤが組めなくなったという。
改正後、北海道の根室線滝川発釧路行き(308.4キロ)が1年ぶりに最長距離の座に返り咲くが、昨夏の台風の影響で一部区間が不通となっており、運行再開のめどは立っていない。このため、実際に乗れる最長の普通列車は山陽線糸崎(広島県)発下関行き(297.2キロ)になる。
九州へ行くため岡山駅で最後の列車に乗り込んだ兵庫県姫路市の会社員、南泰徳さん(48)は「運行が無くなるのは寂しい。瀬戸内海の景色や乗り降りする人たちを眺めて旅を楽しみたい」と話していた。【高橋祐貴】