3日の新日本プロレス沖縄大会(沖縄県立武道館)で、本間朋晃(40)が試合中に首を負傷し、救急搬送される事態となった。必殺技「こけし」を繰り出し、バラエティー番組の出演などでプロレスファン以外からの人気も高いレスラーを襲ったアクシデント。長期欠場は必至で、プロレス界に大きな衝撃が走った。
アクシデントが起こったのは第4試合の6人タッグマッチ。本間はマイケル・エルガン(30)、真壁刀義(44)と組んで、邪道(48)、矢野通(38)、石井智宏(41)組と対戦したが、8分過ぎに様子がおかしくなった。邪道の変型DDTを受けた本間がまったく動けなくなり、試合は邪道が本間をフォール、3カウントを奪って終了。会場が騒然とするなか、すぐにリングドクターやトレーナーが入った。
本間は意識はあったが、首を痛めたこともあって動くことができず、周囲も見守るだけ。試合終了後、10分以上が経過してようやく救急隊が会場に到着し、ファンから「本間コール」が起こる中で本間はすぐに救急車で病院に搬送された。
大会はその後も続けられたが、メーンの6人タッグが終わった後に棚橋弘至(40)がマイクを手に取り、本間を心配する会場のファンに呼びかけた。
「今日はありがとうございました。皆さんにとって、新日本プロレスは楽しいひとときであってほしい。そのために、俺たちは毎日鍛錬してます。それでも、リング上のケガは起こります。だから、また来年沖縄に…今年か、この沖縄に来るときは、全員揃って帰ってきます。だから、皆さんのエネルギーを本間選手に送ってください」
棚橋のマイクパフォーマンスが終わると、会場は再び大きな「本間コール」と歓声に包まれた。
また、米WWE所属の中邑真輔(37)も「本間さんの無事を祈る!」とツイートした。
新日本プロレスは4日未明の時点で公式なアナウンスをしていない。本間の状態については不透明のままだが、現状では6日に予定されている東京・大田区総合体育館大会の出場は絶望的。新日本の「旗揚げ記念日」として行われる同大会で本間は真壁と組み、石井、矢野組が保持するIWGPタッグ王座に挑戦することになっているが、これもキャンセルとなりそうだ。
新日本では2011年6月4日の京都大会で、中西学(50)が井上亘(43)の原爆固めを受けた後にリング上で手足の運動まひを訴え、救急搬送されている。その後の診察で「中心性脊髄損傷」と診断され、戦線離脱。当時、中西は主治医から「最悪寝たきり、良くて車椅子」と言われ、左手の指が動くまで1週間、右手の指が動くまで1か月を要し、リング復帰も絶望的かと思われた。それでも中西は懸命にリハビリを続け、12年10月8日両国国技館大会で復帰。そこまで約1年4か月かかったが、今はすっかり回復し、今回の沖縄大会でも野獣ファイトを披露している。本間も長期欠場は避けられない状況だが、再びリング上で「こけし」を炸裂させる日が来ることを祈るばかりだ。
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