筋骨隆々の平安貴族が敵を倒しながら進むテレビゲーム風のPR動画を京都府宇治市が作成し、3日に動画投稿サイトで公開を始めた。子どものころからゲームに親しんでいる子育て世代をメインターゲットにした映像で、反響次第ではゲームとしての公開も検討する。一方、市議からは「思っていたのと違う」と嘆く声が出ている。
「観光アクションゲーム」と銘打った動画は宇治市が謎の大魔王に襲われたというストーリーで、主人公の平安貴族が平等院や万福寺、宇治橋など名所を回って敵を打ち破りながら「宇治のカケラ」を集める内容。
精美なCGが全盛の時代に、あえて一昔前の粗い画像で仕上げており、今の30~40代がゲームに夢中になったころの雰囲気を醸し出す。動画は5分55秒の本編のほか、プレーヤーが解説を加えるゲーム実況風の22分20秒の長編版もあり、制作費は計615万円。
この日の市議会総務常任委員会で初披露された。見終わった市議からは「宇治のええとこが全然伝わらない」「どうしてこれでいこうとなったか分からない」と反発や困惑の声が相次ぎ、「女性の視点では暴力的だ」との指摘もあった。
宇野哲弥副市長は「批判はあろうと思う」と述べた上で「一般的な動画ではなかなか見てもらえない。奇抜ではあるが、まずはこれで反響を探りたい」と理解を求めた。
動画は動画投稿サイト「ユーチューブ」の市公式チャンネル「City of Uji 宇治市ちはや茶んねる」のほか、市HPなどで視聴できる。
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