堺正章「つらい」戦友かまやつさんとの別れに涙…近親者のみの納棺式に参列
タレントで歌手の堺正章(70)が3日、都内で会見し、1日に膵(すい)がんのため、78歳で亡くなったグループサウンズ「ザ・スパイダース」時代の同僚で歌手のムッシュかまやつさんを悼んだ。半世紀にわたり苦楽をともにした盟友の死に「つらい。共に戦った戦友」と涙を拭った。堺は、数カ月の内に「スパイダース葬をやれたら」と話し、残ったメンバーでかまやつさんにグループの曲をささげることを希望した。
人を包み込む優しい笑顔はもう見られない。盟友が逝ってから2日。ショックのあまり言葉を失っていた堺が、沈痛な面持ちで心境を明かした。
BSフジのトーク番組「堺でございます」の収録を気丈に務め終えた堺は、報道陣に一礼すると「全部、思い出になってしまった。つらい。心が押しつぶされそうな気分」と言葉を絞り出した。最後に会ったのは1月3日。復活を期待する言葉をかけると、かまやつさんは「大丈夫」と応えたが、願いは叶わなかった。「いつの日か必ず復活して、またステージをやってくれる人だろうと信じていました」と無念さをにじませた。
数日前にかまやつさんの妻が死去したことを家族から相談され、「完治されたらお話を」と助言した矢先の訃報だった。2日午前にニュースで知り、すぐに近親者のみで執り行われた納棺式に参列。15年9月に膵がんの手術、16年5月には肝臓がん発覚など、晩年は病と闘いながらも最後まで音楽と向き合った故人は穏やかな表情だったという。「やり遂げた感があるお顔をしていた。十分、人生をおう歌したかな」とくみ取った。
自身がスパイダースに加入した翌63年にかまやつさんが加わった。掛け合いにも笑顔で応じる7歳上の先輩は「苦楽を共にしてきた戦友」。最後の公の場は昨年12月8日の堺の古希祝福ライブだった。万全でなかったにもかかわらず来場したかまやつさんと、スパイダーズの「サマー・ガール」を披露した。
かまやつさんにふさわしい旅立ちがある。堺は半世紀以上、交流を続けた盟友のため、残ったメンバーとヒット曲で送り出す「スパイダース葬」の開催を希望。「かまやつさんも少しは喜んでくれるかな」と思いやった。「(来世も)一緒にできたらそんな幸せなことはない」と涙ぐんだ堺。かまやつさんが愛した音楽を、青春を歩んだ仲間とともに天国へ届けるつもりだ。