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中日春秋(朝刊コラム)

中日春秋

 なぜか、この歴史的な曲に応援団の三三七拍子を連想してしまう。ザ・スパイダースの「フリフリ」である。「ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ」のリズムのせいか

▼日本のロック音楽の「起源」には諸説ある。一九五五年、江利チエミとダークダックスが「ロック・アラウンド・ザ・クロック」を日本語で歌ったことを挙げる人もいるが、日本語によるオリジナルの歌詞と楽曲という点では、六五年発売の「フリフリ」を大きな第一歩と考えても差し支えないだろう

▼その曲を作詞作曲した「日本のロックの父」が亡くなった。ムッシュかまやつさん。七十八歳。グループサウンズ、フォークソングから、懐かしき「バイタリス」のCMまで、幅広い世代がその独特の声を忘れまい

▼当時のスパイダースは海外アーティストの曲が発売されるとわずか数日後にはステージで演奏して聴かせていたと、若き日に魅了されたギタリストの山口冨士夫さんが書いている。かまやつさんの情報収集力と「耳」の力が興奮と熱狂の音楽を若者に教え、伝え、やがて暗く湿っぽかった「日本の歌」を大きく変えた

▼「フリフリ」の耳に残る「ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ」はムッシュの日本のロックや新しい時代に向けた、「応援歌」だったのかもしれぬ

▼音楽性、時代センス、お人柄。三三七拍子ならぬ三拍子そろった「良き友」がステージを今降りた。

 

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