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[FT]ロシアの影が迫る、トランプ版「ウォーターゲート」

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2017/3/3 14:10
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 トランプ米大統領はロシアの影から抜け出せないだろう。だが、追い詰められたセッションズ司法長官が民主党の辞任要求に耳を貸す可能性は、ゼロに近い。

大統領選中のロシアとの接触を巡る虚偽証言疑惑が浮上したセッションズ司法長官=ロイター
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大統領選中のロシアとの接触を巡る虚偽証言疑惑が浮上したセッションズ司法長官=ロイター

 セッションズ氏は議会証言で、米大統領選中にロシアの当局者と接触したことはないと嘘をついた可能性がある。実際には11月以前にキスリャク駐米ロシア大使と2回会っていたことが判明している。だが、意図的な嘘だった──これが偽証の定義である──と証明することは、およそ難しい。そうなる可能性はほぼ確実にないだろう。

 では、この先どうなるのか。ワシントンは、トランプ陣営のロシアとのつながりに関する複数の調査に包まれていくことになるだろう。たとえセッションズ氏が、米連邦捜査局(FBI)などの政府機関の捜査を監督する立場から身を引いたとしても、無実とする結論が出れば必ず捜査の偏向を疑われ、消えない影を残すことになるだろう。

 同じことは、共和党が主導する議会調査にもいえる。共和党議員の多くは、まだ調査が始まってもいない段階でトランプ陣営とロシアのつながりを公然と否定している。トランプ氏にとって、ロシアの影から逃れることは不可能だろう。情報機関や捜査機関の不満をもつ高官などからさらなる情報流出が起こるのは必至で、それがまたトランプ氏を激怒させることになる。

 米国の外交政策には、二段重ねの影響が及ぶだろう。まず、トランプ氏は一人で共和党の大部分をロシア擁護派に変えた。4年前の共和党は、ロシアは米国の「最大の地政学上の敵」だとするミット・ロムニー氏(元マサチューセッツ州知事)の宣言の下に結束していた。トランプ氏の最側近らも、陣営に加わるまでは伝統的なタカ派だった。ロシアとの接触に関して嘘をついていたことが明らかになり、2月に国家安全保障担当大統領補佐官を辞任したマイケル・フリン氏もそうだったし、セッションズ氏自身も同様だ。上院にはジョン・マケイン氏やリンゼー・グラム氏など、ロシアに対するタカ派の共和党議員が今も少なからずいる。彼らはトランプ氏側の最大のトゲになるかもしれない。

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今週の予定 (日付クリックでスケジュール表示)

<2/27の予定>
  • 【国内】
  • 九恒自販連会長が記者会見(11:00)
  • 2月のQUICK債券月次調査(11:00)
  • 1月の外食売上高(日本フードサービス協会、14:00)
  • 三村日商会頭が記者会見(13:30)
  • 清田日本取引所CEOが記者会見(15:30)
  • 1月の自動車各社の生産・販売実績
  • 【海外】
  • 1月の米耐久財受注額(22:30)
  • 1月の米仮契約住宅販売指数(28日0:00)
  • 台湾市場が休場
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<2/28の予定>
  • 【国内】
  • 閣議
  • 1月の鉱工業生産速報(経産省、8:50)
  • 1月の商業動態速報(経産省、8:50)
  • 2年物国債の入札(財務省、10:30)
  • 1月の建設機械出荷額(日本建設機械工業会、12:00)
  • 小林経済同友会代表幹事の会見(13:00)
  • 1月の自動車生産・輸出実績(自工会、13:00)
  • 1月の住宅着工戸数(国交省、14:00)
  • 2月の為替介入実績(財務省、19:00)
  • 【海外】
  • 16年10~12月期のインドの国内総生産(GDP)
  • 2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(19:00)
  • 16年10~12月期の米実質GDP改定値(22:30)
  • 16年12月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(23:00)
  • 2月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI、23:45)
  • 2月の米消費者信頼感指数(1日0:00)
  • トランプ米大統領が議会演説(1日11:00)
  • 台湾市場が休場
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<3/1の予定>
  • 【国内】
  • QUICKコンセンサスDI(2月末時点、8:30)
  • 16年10~12月期の法人企業統計(財務省、8:50)
  • 佐藤日銀審議委員が金融経済懇談会であいさつ(徳島市、10:30)
  • 2月の新車販売(自販連、14:00)
  • 2月の軽自動車販売(全経協、14:00)
  • 佐藤日銀審議委員が記者会見(徳島市、14:00)
  • 16年5月~17年1月期決算=伊藤園
  • 【海外】
  • 2月の米消費者信頼感指数(0:00)
  • トランプ米大統領が議会演説(11:00)
  • 16年10~12月期の豪国内総生産(GDP、9:30)
  • 2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI、10:00)
  • 2月の中国非製造業PMI(10:00)
  • 2月の財新中国製造業PMI(10:45)
  • 2月のインドネシア消費者物価指数(CPI)
  • 2月の独消費者物価指数(CPI)速報値
  • 2月の独失業率(17:55)
  • 2月の米新車販売台数
  • 1月の米個人所得(22:30)
  • 1月の米個人消費支出(PCE)
  • 2月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数
  • 1月の米建設支出(2日0:00)
  • カナダ中銀が政策金利を発表(2日0:00)
  • 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、2日0:30)
  • 米地区連銀経済報告(ベージュブック、2日4:00)
  • ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が講演(2日8:00)
  • 韓国市場が休場
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<3/2の予定>
  • 【国内】
  • 対外・対内証券売買契約(週間、財務省、8:50)
  • 2月のマネタリーベース(日銀、8:50)
  • 3カ月物国債の入札(財務省、10:20)
  • 10年物国債の入札(財務省、10:30)
  • 2月の財政資金対民間収支(財務省、15:00)
  • ファストリが2月の国内ユニクロ売上高を発表(15:00過ぎ)
  • 【海外】
  • 2月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数(0:00)
  • 1月の米建設支出(0:00)
  • カナダ中銀が政策金利を発表(0:00)
  • 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、0:30)
  • 米地区連銀経済報告(ベージュブック、4:00)
  • ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が講演(8:00)
  • 1月の豪住宅着工許可件数(9:30)
  • 1月の豪貿易収支(9:30)
  • マレーシア中央銀行が政策金利を発表
  • 1月のユーロ圏失業率(19:00)
  • 2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(19:00)
  • 米新規失業保険申請件数(週間)
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

<3/3の予定>
  • 【国内】
  • 閣議
  • 1月の全国・2月の都区部消費者物価指数(CPI、総務省、8:30)
  • 1月の家計調査(総務省、8:30)
  • 1月の完全失業率(総務省、8:30)
  • 1月の有効求人倍率(厚労省、8:30)
  • 3月の当座預金増減要因見込み(日銀、8:50)
  • 2月の消費動向調査(内閣府、14:00)
  • 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が16年10~12月期の運用実績を公表
  • 【海外】
  • 2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI、10:45)
  • 1月のユーロ圏小売売上高(19:00)
  • 2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数(4日0:00)
  • パウエル米連邦準備理事会(FRB)理事が講演(4日未明)
  • イエレンFRB議長があいさつ(4日未明)
  • フィッシャーFRB副議長が講演(4日未明)
  • (注)時間は日本時間

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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