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大阪府議にも接触…理事長、学校認可巡り

「森友学園」に売却された国有地で建設が進む「瑞穂の国記念小学院」=大阪府豊中市で、本社ヘリから幾島健太郎撮影
中川隆弘氏

 学校法人「森友学園」が大阪府豊中市で開校を目指す小学校の設置認可を巡り、籠池泰典理事長が2014年12月、大阪維新の会の中川隆弘府議(豊中市選挙区)に協力を求めて働きかけていたことが分かった。中川氏は「審議状況の確認を頼まれた。金品を受け取ったことはない」としている。籠池氏は学校用地として国有地の取得に動いていた時期、兵庫県議にも協力を求めており、開校実現に向けて地方議員に接触を繰り返していた。

 中川氏によると、籠池氏を知るという人物から頼まれ、籠池氏夫妻と面会。14年12月18日の府私立学校審議会(私学審)で、小学校の認可答申が財務状況への不安などから保留となった直後だった。籠池氏は「小学校の件、よろしくお願いします。臨時会が開かれるか気になっています」と要請。中川氏は府に日程を聞き、「1月に臨時会が開かれる」と籠池氏に伝えた。

 臨時会は15年1月27日に開かれ、私学審は30日付で寄付金受け入れ状況などを報告させる条件を付け「認可適当」と答申した。中川氏は「籠池氏とは初対面。連絡を取ったのはこの時だけ」と話した。籠池氏は私学審の定例会を翌月に控えた14年11月、豊中市選出の元自民党府議を通じ、浅利敬一郎・豊中市長と面会したことも判明している。

 一方、籠池理事長の陳情を自民党参院議員の鴻池祥肇(よしただ)元防災担当相の事務所に取り次いだ黒川治兵庫県議(自民)が3日、記者会見し、取り次ぎ後に自身のパーティー券2万円分を籠池氏が購入したことを明らかにした。黒川氏は「この件に関する金品授受ではなかった」としている。黒川氏は鴻池氏の元秘書で、13年8月5日に鴻池氏の神戸の事務所を訪問し、学園の小学校開設の要望を伝えていた。学園側は翌月、黒川氏のパーティー券を購入した。購入はこの時だけで政治資金規正法に基づきパーティー券収入として処理したという。その後は籠池氏から教員紹介の依頼などを受けたが、国有地に関する相談はなかったとしている。

 籠池氏は13年以降、鴻池氏の事務所に近づき、小学校用地として国有地の確保に向け、頻繁に陳情を繰り返していた。近畿財務局は国有地の購入を求めていたが、籠池氏は当初、国有地を8年間は賃借し、その後に購入する形態を希望。13年8月に事務所に陳情し、15年5月に近い形で実現した。国が提示した賃料も高すぎると要望し、後に年2730万円に下がった。鴻池氏の事務所は「便宜は図っていない」としている。【津久井達、井上元宏】

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