仏大統領選 疑惑報じられた元首相 撤退の考えなし

仏大統領選 疑惑報じられた元首相 撤退の考えなし
来月行われるフランス大統領選挙で、有力候補の1人とされる中道右派の共和党のフィヨン元首相は、家族の公金不正受給疑惑をめぐって自身が訴追される可能性があるとしながらも、選挙戦から撤退する考えはないことを強調しました。
来月1回目の投票が行われるフランス大統領選挙で、中道右派の最大野党、共和党のフィヨン氏をめぐっては、議員時代に妻や子どもが勤務実態がないのに秘書などとして、議会から総額1億円を超す給与を不正に受け取っていたとする疑惑が報じられ、司法当局が公金横領などの疑いで捜査を進めています。

フィヨン氏は1日、パリで声明を出し、「今月15日に裁判所の予審判事から召喚される」と述べて、自身が訴追される可能性があるという認識を示しました。そのうえで、「これは政治的な暗殺だ。誰が大統領にふさわしいかを決めるのは有権者で、私は最後まで戦う」と述べ、選挙戦から撤退する考えはないと強調しました。

フィヨン氏は、ことし1月に疑惑が報じられた当初、訴追されれば、立候補を辞退する考えを示していましたが、事実上撤回したことになります。

最新の世論調査の支持率では、極右政党の国民戦線のルペン党首と、中道の無所属のマクロン前経済相がトップを争う展開で、政権奪還を目指す共和党としては、フィヨン氏の支持率を回復させたいところですが、会見を受けて陣営幹部の元農相が選挙運動からの離脱を表明するなど、党内でも反発が広がっています。