乙武洋匡「私の意見は障害者の総意じゃない」

中川淳一郎に語った「政治家を目指した理由」

いつの間にか私の存在は皆さんから見て「強者」だと映るようになってしまっていた(撮影:今井康一)
リベラル論者としての活躍から、不倫騒動による衝撃的な失墜、そして約1年の自粛期間へ。だが乙武洋匡氏には自粛期間中もメディアからの依頼が絶えることがなかったのだという。これほどまでに世間からたたかれた彼に、なぜ世間の需要が途絶えないのか。一方「”乙武さん”というポジションは、正直もうしんどい」との乙武氏の心情の吐露を、ウェブ編集者・中川淳一郎氏はどうとらえるのか。
それぞれのキャリアから確かな現代メディア観を持つ2人の40男が、日本社会の不寛容さ、生きづらさを論じる対談。後編では日本のメディアに乙武氏以外の「障害者」が不在である理由を掘り下げる。(対談司会: 河崎 環)

前編 乙武洋匡「自分をようやく理解してもらえた」
中編 乙武洋匡「日本には村の掟がまだ残っている」

3年経っても代わりが出現しなかった

乙武さんは競争してこなかったというけれど…(撮影:今井康一)

中川 淳一郎(以下、中川):乙武さんは、「自分の知り合いは競争していると思うけど、自分自身はしてこなかった」と言う。でも実際は、世間が勝手に乙武さんを競争の渦に巻き込んでいると思います。乙武さんはタレントとしての側面も、政治家候補としての側面もある。そういう2つの面がある方をテレビに呼ぶというとき、何人かキャスティング候補がいる中で、乙武さんは勝ち上がってきているわけですよね。それに、自民党の公認候補を検討するときだって、「乙武さんがいいんじゃないか?」って、中央で決めたわけじゃないですか。乙武さんはそこで競争して、選ばれているんですよ。

乙武 洋匡(以下、乙武):なるほど。ただ、私としては、いろいろと貴重な機会をいただけているのは、割と対立候補が少ないからなのかな、と思っていて。たとえば、テレビ出演に関して言うと、「◯◯枠」という話がありますよね。たとえば「ハーフ枠」とか、「オネエ枠」とか。それで言うと、仮に「障害者枠」というものがあったとして、正直、私以外の候補が見当たらない。

河崎 環(以下、河崎):確かに、いらっしゃらないですね。

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