押切もえらのメールのぞき見の元日本経済新聞社社員に懲役2年6月求刑
モデルの押切もえ(37)や元NMB48の渡辺美優紀さん(23)らのメールソフトに不正にログインし、内容をのぞき見たなどとして、不正アクセス禁止法違反と私電磁的記録不正作出・同供用の罪に問われている元日本経済新聞社社員・寺井淳被告(29)の初公判が2日、東京地裁(水上周裁判官)で開かれ、即日結審した。検察側は懲役2年6月を求刑した。
被告人質問で寺井被告は、犯行に及んだ理由について「ネット上できれいな女性のことを知り、そのうちにその女性の個人情報を知りたくなった。パスワードの突破は、ゲーム感覚でやっていた」と証言。不正アクセスにより知り得た情報で、女性の勤務先や自宅などを訪れたり、携帯の位置情報を確認したこともあったが「集めた情報が正しいのか見てみたいという好奇心しかなかった。だから、1人の女性に対して複数回訪ねたことはありません」と話した。
今回の事件では、2014年12月から16年4月にかけて不正アクセスを行った押切ら4人の女性だけが対象だが、冒頭陳述などで寺井被告は13年1月ごろから同様の行為を行っていたことが明らかに。インターネット上で女性と偽る、いわゆる“ネカマ”として女性とSNSなどで交流し、入手した電話番号やメールアドレスなどを利用して不正アクセスしていたという。アクセスの対象は当初は一般女性だったが、次第に有名人にも行うようになり、女子アナやモデルなど約60人の情報を入手していた。
証人として出廷した寺井被告の父親は「思春期に女性の友人と接する機会がなかったので、こういう風になってしまったのかとも思う。共学に行かせればよかった。友達が次々と結婚していく中で、取り残された気がしていたのでは」と話したが、検察側は「男子校に通っている人はいっぱいいますよ」と一蹴。裁判官も「きれいな女性のことを知りたいと思って、不正アクセスしてしまうのは、普通の人とかなり感覚がずれていますよ。そこはきちんと修正してもらわないと」と寺井被告に対し、厳しい言葉を投げかけていた。