木箱に納められた評価キット
ということで座学はこのあたりにしておき、評価キットをご紹介したいと思う。届いたキットは、巨大な木箱(Photo43,44)であったが、蓋をあけるとこんな感じ(Photo45,46)。
さてCPUであるが、CPUクーラーが入っていないために比較的薄いパッケージ(Photo47)に収まっている。CPUはシールと一緒に小箱に梱包されていた(Photo48,49)。CPU本体は、刻印こそRYZENだがパッケージそのものはこれまでのSocket AM3+などとそう違いが無い。LGAではなく引き続きPGAパッケージでの投入となっている(Photo51)。
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Photo50:ES品ではなく製品版でのテストである。外形は実測で39mm×39mm。基盤部の厚みは1.18mm、ヒートスプレッダまで込みにした厚みは4.65mmだった |
Photo51:ピン数は1331本。中央にコンデンサ類が見当たらないのはMIMCAPのお陰もあるだろうが、おそらくヒートスプレッダの下には相応に隠れていると思われる |
ところで別パッケージで届いたCPUクーラーはWraithではなくNoctuaのNH-U12S SE-AM4であった(Photo52~54)。
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Photo53:底面は4本のヒートパイプが繋がっている。取り付けは同社独自の方式 |
Photo54:高さ158mmとなかなか威圧感がある。ちなみにファンを取り付けた状態だとネジが締められないので、一旦ファンを外してネジ止めしてからファンを取り付ける形になる |
マザーボードはASUSのROG CROSSHAIR VI HEROを利用した(Photo55~62)。ちなみにSocket AM4は基本は従来のAM3+までと同じく2箇所の爪でCPUクーラーで固定する形だが(Photo63)、NH-U12Sでは独自の金具が用意され(Photo64)、これで固定する形となっている(Photo65,66)。
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Photo57:CPUへの電源供給は12-way構成の模様 |
Photo58:PCIe x16レーンは3本だが、CPUに直結されるのは上2本だけの模様。asmediaのPCIe Switchが見える。ちなみにM.2スロットは1本 |
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Photo61:SATAポートは8つ搭載される |
Photo62:これもオーバークロック向けらしく、ATX12Vが8pin+4pinになっている。普段は8pinだけで動作するが、オーバークロック時に電力不足に陥った場合、4pinも使うことで上乗せができる |
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Photo63:AMD純正のWraithですら、このプラスチックの金具を取り外し、AM4のベースに直接取り付けネジを捻じ込む形になっているあたり、今後はこちらの取り付け方式が主流になるかもしれない |
Photo64:取り付け金具装着後 |
ちなみにCPU-ZによるRYZEN 7 1800Xの情報はこんな感じ(Photo67~70)。もちろんWindows 10環境でもきちんと認識された(Photo71~73)。
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Photo67:なぜWindows 7かというと、RMMAを実行するついでにこれをキャプチャしたため。倍率固定モードで行っているので動作周波数は3.6GHzになっている |
Photo68:キャッシュ情報はこんな感じ。Line sizeは64Bytesで、ということはL2やL3は2cycle単位でのI/Oを行っていることになる |
今回の検証環境 - 比較にCore i7-6950XとCore i7-7700Kを用意
さて表1にテスト環境を示す。今回は対抗馬として、Core i7-6900Kが入手できず、ハイエンドのCore i7-6950Xとなった。更にCore i7-7700Kも用意して、この2つとの比較をお届けしたい。
■今回のテスト環境 | |||
CPU | Core i7-6950X | Core i7-7700K | RYZEN 7 1800X |
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M/B | ASUS X99-A(BIOS 3402) | ASUS PRIME Z270-A(BIOS 0701) | ROG CROSSHAIR VI HERO(BIOS 5704) |
Driver | Intel Chipset Software V10.1.2.8 | Intel Chipset Software V10.1.1.38 | AMD Chipset Driver 9.0.000.8 |
Memory | Corsair CMK16GX4M2A2666C16(DDR4-2666 CL16 8GB)×4 | ||
Video | NVIDIA GeForce GTX 1080 Founder Edition | ||
GPUドライバ | GeForce Driver 376.33 | ||
Storage |
Intel SSD 600p 256GB(M.2/PCIe 3.0 x4) + WD WD20EARS 2TB(Windows 10) SanDisk SDSSA-240G 240(SATA3)(Windows 7) |
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OS |
Windows 10 Pro 64bit 日本語版 Version 1607 Build 14393.447 Windows 7 Pro 64bit 日本語版+SP1 |
ちなみにテスト環境及びテスト内容は、KabyLakeの検証に準じているのだが(なのでメインのOSはWindows 10 64bit)、 * Core i7-6950Xを導入した関係でDIMMを4枚使わざるをえず、前回のテスト(DIMM2枚の16GB環境)とは互換性がない(そのため、Core i7-7700Kについても新規にデータを取り直した)。 * RMMAを実行するために、RTCore64.sysを動かさないといけないが、これがWindows 10環境では動作しない。そのため、RMMAのみWindows 7環境を作り、ここでテストを行う。
という違いがあるので留意されたい。
なお以下のグラフの表記であるが
- i7-6950X : Core i7-6950X
- i7-7700K : Core i7-7700K
- R7 1800X : RYZEN 7 1800X
をそれぞれ示している。