ソウル市長が保守系団体の無許可テントを告発、公平性に疑問の声

ソウル市長が保守系団体の無許可テントを告発、公平性に疑問の声

 ソウル市庁前広場に無許可で数十張りのテントを設置し、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の弾劾に反対する活動を行ってきた保守団体に対し、ソウル市は28日付で警察に告発する措置を取った。

 ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は28日、自らのツイッターを通じ「ソウル広場の無断使用、ソウル図書館での騒音被害や図書館を利用する市民への迷惑行為、法律に基づいた公務の妨害などを理由に、パクサモ(朴大統領を愛する会)を含む団体や責任者などを告発する」と明らかにした。ソウル市はこの日、集会およびデモに関する法律違反、公務執行妨害、違法監視カメラの設置などで「弾劾棄却のための国民総決起運動本部(弾棄国)」の共同代表を務める男性ら7人を南大門警察署に告発した。ソウル市は告発の理由について▲ソウル広場を無断で占拠しソウル市が持つ広場管理の権限を侵害した▲ソウル図書館で騒ぎを起こし市民に害を及ぼした▲それによって行政の労力を浪費させた-などと説明している。

 弾棄国など保守系の団体は今年1月21日からソウル広場に無断で40張り以上のテントを設置し、ここに立て籠もりながら1カ月以上にわたり抗議行動を続けている。ソウル市は今後も新たな違法行為が見つかれば、証拠を確保した上で改めて告発することも検討している。

 しかしソウル市は光化門広場を無断で占拠し抗議行動を続けるセウォル号関連団体のテントについては告発せず、放置したままだ。そのため今回の告発には「公平性に問題がある」との指摘も上がっている。旅客船「セウォル号」沈没事故の真相解明を求める団体は、今なお光化門広場に70張り以上のテントを設置し、963日にわたり抗議行動を続けている。またその周辺には朴大統領の弾劾を求める一部団体もテントを設置しこれに加勢している。

 ソウル市の関係者は「光化門広場のセウォル号テントは単なる無断占拠だが、ソウル広場の弾劾反対テントは激しい混乱や対立をもたらしているため事情は違う」「光化門広場のテントについてもこれまで行政指導や費用の請求など必要な措置は行っており、またセウォル号関連団体などが問題を起こした場合は告発することも検討している」と説明した。

申晶善(シン・ジョンソン)記者
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