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 ロシアで北方領土を管轄しているトルトネフ極東連邦管区大統領全権代表が2日、北方領土で日本とロシアが進める予定の共同経済活動について「我々は(日本との協議を)長く待つことはしない。彼らなしでもできる」と述べた。

 共同経済活動については、昨年12月の日ロ首脳会談で実現を目指すことで合意。今月18日には、東京で両国外務省や関係省庁による本格的な協議が始まる。発言はこれを前に、北方領土では日本はロシアの法律の枠内で活動するべきだ、という考えを改めて強調する狙いとみられる。

 インタファクス通信によるとトルトネフ氏は「クリル(北方領土と千島列島)はロシア領土であり、将来もそうだ」「共同活動のための効果的な枠組みが出てこないで、単に話し合いが続くようであれば、我々はクリルをロシアの先行発展地域に指定することを政府に提案する」と述べた。

 共同経済活動は漁業や観光や医療などの分野で進めることが検討されている。しかし日本側は、北方領土でロシアの法律に従うことはできないという立場で、実現までの協議は難航が予想される。(モスクワ=駒木明義