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冬に甘いものが食べたくなるのはどうして? 脳科学の専門家に聞いてみた

2017年3月2日 20時10分 ライター情報:石原亜香利

春の気配が近づいているが、まだまだ肌寒さを感じる季節だ。寒いと、人は甘いものを欲するようになるといわれる。確かに、寒さの中で飲む、あたたかく甘いココアや、冬のアイスクリームは格別だ。特に冬に甘いものを欲するようになるのには、どんな理由があるのだろうか。近畿大学医学部講師 生塩(おしお)研一さんに聞いてみた。

冬に甘いものが食べたくなる理由として考えられること4つ


脳科学を専門とする生塩さんによれば、冬になると甘いものが食べたくなるのは、次の4つが挙げられるという。しかし明確には分かっていない。今回教えてくれたのは、あくまで「理由として考えられること」なので、留意しておきたい。

それを踏まえて、冬になるとなぜ他の季節よりも甘いものが食べたくなるのかを、解説してもらった。

1.冬は代謝が上がりやすいため、エネルギーを消耗しやすい
「そもそも、ヒトの体は一定の体温を保つようになっていて、冬になると低い外気温で体温が下がるため、熱をたくさん作らないといけなくなります。寒いときにブルッと震えるのは、筋肉で熱を作っているのですね。こうした代謝機能などによってエネルギーを消耗しやすい冬は、エネルギー源である糖分が必要になるということはあるかと思います。
しかし近年は、空調の普及や脂肪分の十分な摂取などから、代謝の季節差がなくなってきています。ですから、これはそれほど大きい原因ではなさそうです」

2.冬は気候からうつになりやすいため
生塩さんによれば、冬に甘いものを食べたくなる理由に、次のようなことも考えられるという。それは「冬は寒くて暗いことなどが原因で、気分が落ち込みやすい」ことから、その状態を回避するために、甘いものを食べたくなるというものだ。
そのうつ状態を回避するための方法には2つあるという。

(1)甘いものを食べて「β-エンドルフィン」を出そうとする
「甘いものを食べるとその瞬間に気分が良くなりますよね。そのメカニズムはこうです。
まず、舌の味蕾が甘み成分を感知して、その情報が神経を通って脳に送られ、脳の一次味覚野が甘いと感じ、眼窩前頭皮質が美味しい感覚を引き起こします。すると『β-エンドルフィン』という多幸感をもたらすモルヒネに似た脳内物質が分泌されて気分がよくなります。冬の落ち込みやすい気分を上げるために、β-エンドルフィンを出そうとして、甘いものを食べたくなるのかもしれません」

(2)甘いものを食べて「セロトニン」の分泌を増やそうとする

「冬に気分が落ち込みぎみになると『セロトニン』という化学物質の分泌量を増やそうとして、甘いものを摂ろうとするということが考えられます。
うつ病の患者さんの脳ではセロトニンが減っているといわれていますが、さまざまな理由からうつ病とセロトニンの関係性が有力視されています。ただ、実際にはまだはっきりと分かっているわけではなく、あくまで、可能性があるというレベルです」

「セロトニンと甘いものとの関係は、実験で調べられています。セロトニンを作るには、必須アミノ酸の一つである『トリプトファン』が必要になりますが、体内では十分に作ることができません。よって、トリプトファンをはじめとした多種類のアミノ酸が含まれる、肉類、納豆、チーズ、たらこ、アーモンド、そばなどで摂ることになります」

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ライター情報: 石原亜香利

ウェブ・雑誌などで執筆するライター。美容・健康・ダイエットネタからビジネス・マネーネタまで、人が知りたい情報をとことん突き詰めてご提供中。

URL:http://akari-ishihara.hatenadiary.jp/

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