【社説】中国のTHAAD報復、韓国は日本の対応に学べ

 韓国軍と米軍によって毎年この時期に行われる合同軍事演習「フォールイーグル」が1日から始まった。韓国の韓民求(ハン・ミング)国防長官と米国のマティス国防長官は演習開始と同時に電話会談を行い、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を計画通り進めていくことを改めて確認した。韓国大統領府の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長と米ホワイトハウスのマクマスター国家安全保障担当大統領補佐官も同じく電話会談を行い、THAAD配備計画に変更がないことで一致した。北朝鮮の核開発と相次ぐミサイル発射に対しては、今回のように韓米両国の安全保障政策担当責任者が断固たる態度を示すことが極めて重要だ。

 このように最近になって韓米同盟の重要性が改めて強調されている背景には、THAAD配備に反対する中国による韓国への圧力が大きく関係している。ロッテの取締役会がTHAAD配備のための土地提供を正式決定すると、中国共産党が下劣な圧力を行使する際に使う末端の宣伝機関が「断交」に触れるなど、中国は非常に過激な攻勢に出てきた。また中国の大手ネット通販会社はロッテマート商品の取り扱いをストップし、一般国民の間でもロッテ製品不買運動の兆しが出始めた。このように韓国に対する攻勢や圧力はおそらく今後も弱まることなく一層強まってくるだろう。中国はかつて日本政府が行った尖閣諸島の国有化に不快感を示し、日本商品の不買運動や観光の禁止、輸出入の制限などありとあらゆる方法で報復を行ったことがある。当時、ひどいときは中国に進出した日本企業の店舗や工場に対する襲撃、さらには現地に住む日本人への暴行も起こった。もちろん今回のTHAAD問題は中国における反日感情とはまた別次元の問題だが、それでも中国の手口はかつての日本に対するものと本質的にはほとんど変わっていないと見るべきだ。

 これに対して韓国政府は引き続き中国への説得に一層力を入れなければならないが、一方で国民の命を守る安全保障政策、とりわけ防衛システムの導入を外国政府の干渉や圧力によって見直すわけにはいかず、中国にはこの点もしっかりと伝えなければならない。中国による日本への報復は数年にわたり継続したが、いつしか取りやめられ、現在、日本各地の観光地は中国人であふれかえっている。日本国内が一つになり、いかなる経済的損失があっても領有権問題だけは譲歩できないとの意志を明確に示したからだ。また長期にわたる報復の影響で、中国側にも多大な損失が出たことも影響したことだろう。同じように大韓民国も今こそ中国への対応を間違えてはならない。もし一歩誤れば、彼らの時代錯誤的な考えに基づく韓半島(朝鮮半島)観は将来の長きにわたり大きな火種になってしまうだろう。

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