聞き手・藤原慎一
2017年3月2日08時57分
■市川正人・立命館大学法科大学院教授
15人の最高裁裁判官には実質上、検察官や弁護士などの出身枠があり、その枠に従って内閣が任命する慣例がある。一方で、任命されるまでの決定プロセスはブラックボックスになっていて、まったく見えない。
人選をもう少しオープンにして、官僚出身者が多い今の枠を流動化させるべきだ、と訴えてきた。出身枠が固定された今の慣例では、最高裁が真に憲法の番人として、少数者の人権を擁護することが十分にできないと考えたからだ。
一方で、慣例は、政治権力による露骨な人事介入に対する防波堤の役割も果たしてきた面もあるため、慣例の打破を訴えることは非常に危険でもある。実際、安倍政権は、内閣法制局長官も日銀総裁も、これまでの人事の慣例を無視してトップを入れ替えることで影響力を行使している。
安倍内閣は日本弁護士連合会が…
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