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中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報、教育問題への提言も掲載していきます。

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UZRとは!?守備範囲の指標となるUZRを詳しくまとめました!

データ プロ野球 守備

MLBでは重視されている守備指標UZR (アルティメットゾーンレーティング)!

日本ではまだあまり認知されていませんが、今後広まるでしょう!

UZRについて詳しくまとめました!

 

◯守備率だけでは本当の守備力は分からない!

前回は打撃力を表す指標としてOPSを紹介しました。

www.taguchizu.net

 

今回は守備の指標であるUZRを紹介したいと思います。

以前は、守備力を表す指標としては守備率が重視されていました。

守備率とは飛んで来た打球をミスなく処理できた割合のことを言い、

守備率=(守備機会-エラー数)÷守備機会

で出すことができます。

高い選手だと.990ほどで、10割に近い数字になります。

2016年セ・リーグのショートだと守備率トップが大引選手で.990でした。

外野の場合は守備的が少ないこともあり、10割の選手が出ることもあります。

2016年シーズンはセ・リーグとパ・リーグ合わせて4名の外野手が守備率10割でした。

 

守備率は長らく重視されて来ましたが、致命的な欠陥がある指標です。

正面の簡単な打球だけを処理し、難しい打球は追わなければエラーにはなりません。

守備率には守備範囲が全く反映されないのです。

そればかりか、難しい打球に追いついた選手ほどエラーになりやすいので、守備範囲が広い選手のほうが守備率が低いということまであり得ます。

そこで考案されたのが守備指標UZRです。

野球センスの磨き方(守備編)【今、日本人内野手がやるべきこと】

野球センスの磨き方(守備編)【今、日本人内野手がやるべきこと】

 

 

◯UZRとは?

守備率が単純に出せるのに対してUZRはかなり複雑で、専用の処理ソフトが無いと出すことはできません。

各ポジションリーグの平均と比較し、どれだけ失点を多く防いだかを示す指標。フィールドをいくつものゾーンに分け、全打球の方向や種類、速度を記録し、各打球の難易度を設定したうえで各選手の実際の守備処理と照らし合わせる。選手によってはシーズンごとのばらつきが大きく、真の実力を判断する上での適切なサンプルサイズは3年ほどとされる。『スラッガー特別編集2017プロ野球選手名鑑』P230より

ということで、かなり複雑なことが分かります。

個人で計算することはなかなか難しいのですが、簡単にいうと打球難易度や守備範囲も反映した守備指標ということになります。

日本ではまだあまり馴染みはありませんが、MLBでは守備率よりも重視されている指標になっています。

+20~-20の幅に収まる選手が多く、+10以上だと優秀な成績と評価されます。

ちなみにバッテリーは評価の対象外です。

  

◯ゴールデングラブ賞との関係性

プロ野球ではシーズンの守備面での功績を称える賞として、ゴールデングラブ賞がありますよね。

私はゴールデングラブ賞は守備率や印象で選ばれることが多いと感じています。

毎年UZRの観点で見ると疑問をもつことが多いです。

そこで、2016年のゴールデングラブ賞の受賞者の守備率、UZRを見てみたいと思います。

 

セ・リーグ

一塁手 ロペス 守備率.998(1位) UZR+5.2(1位)

二塁手 菊池 守備率.995(1位) UZR+18.7(1位)

遊撃手 坂本 守備率.974(4位) UZR+15.6(1位)

三塁手 村田 守備率.954(2位) UZR-11.9(6位)

    ※他球団で年間を通じて三塁手のレギュラーを確保した選手不在。

外野手 丸 守備率.993(4位) UZR-1.3(センターで3位)

外野手 大島 守備率 ランク外 UZR-1.9(センターで5位)

外野手 鈴木 守備率.991(5位) UZR-1.2(ライトで3位)

 

パ・リーグ

一塁手 中田 守備率.993(3位) UZR+7.6(1位)

二塁手 藤田 守備率.993(1位) UZR-6.2(5位)

遊撃手 今宮 守備率.982(1位) UZR-6.1(4位)

三塁手 松田 守備率.967(1位) UZR+12.2(1位)

外野手 秋山 守備率1.000(1位) UZR-5.5(センターで6位)

外野手 陽 守備率 ランク外 UZR±0(センターで3位)

外野手 糸井 守備率 ランク外 UZR-10.6(ライトで4位)

 

各ポジションで400イニング以上出場した選手を対象としています。

というようにUZRが計算されないバッテリーを除くと14名中、UZRがトップだった選手はなんと5名しかいないということになっています。

おまけにUZRがマイナス評価の選手が9名もいます。

 

UZRで見てもゴールデングラブ賞にふさわしい選手もいるものの、印象で決まっている感も否めません。

そもそもライバルがいなかった村田選手は仕方がないにしても、UZRがマイナスの選手がこれほど選ばれるのはどうなのでしょうか…。

逆にUZRは非常に優秀であったのに選ばれなかった選手もいます。

日本ハムの遊撃手である中島選手はUZRで+19.4という2016年シーズン全選手最高の記録を残しましたが、ゴールデングラブ賞は-6.1の今宮選手です。

守備の印象は薄いですが、全外野手レギュラー中1番のUZR(+8.9)だった筒香選手も落選しています。

 

実は2015年シーズンも全選手最高のUZRだった坂本選手が選ばれず、鳥谷選手が選ばれています。

 

こうやって見ると日本のゴールデングラブ賞の選考ではUZRはあまり重視されていないことが分かります。

必ずしもUZRが絶対的に正しい守備指標とは言い切れないのかもしれませんが、もう少しUZRを考慮してゴールデングラブ賞を決めるべきではないかと私は思います。

MLBでは一般的になっているようなので、今後日本でももっともっと広まる可能性が高いです。

覚えておいて損はないので、2017年シーズンはぜひ選手たちのUZRにも注目してみてください!

なお、データはこちらを参考にさせていただきました。

2017プロ野球オール写真選手名鑑 (NSK MOOK)

2017プロ野球オール写真選手名鑑 (NSK MOOK)

 

こちらの選手名鑑ではデータスタジアム社のデータを使用しています。

UZRは他にも算出しているところがあり、数値が異なることがありますのでご了承ください。

 

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