パワハラで精神疾患になり働けなくなったなどとして、漫画誌「ガロ」を発行していた出版社「青林堂」(東京都渋谷区)の従業員、中村基秀さん(48)=休職中=が青林堂と社長らを相手取り、慰謝料や未払い賃金計約2000万円を求める訴えを東京地裁に起こした。中村さんは提訴時の会見で「パワハラで苦しんでいらっしゃる皆さんが助かるためのヒントになるような戦いができれば」と語った。一方の青林堂は「訴状を見ていないのでコメントできない」としたが、公式ツイッターで男性が加入した労働組合を批判。騒動は「会社」対「労組」の様相を呈している。
訴状や会見時の説明によると、中村さんは「ガロ」の営業部長を務めた後に退社。平成26年6月に社長の口利きで再び入社したが、労働組合に加入したことを理由に解雇。東京地裁で解雇無効となり27年10月に復職したものの、他の従業員から隔離され、社長から「お前がバカだからできない」「左翼だ」「君の名前も公安に知らせている」などの発言や不当な業務命令を受けたという。中村さんは28年2月に会社に指定されたクリニックで「鬱病」と診断され、休職している。
提訴に当たっての会見で中村さん側が示したのが、300時間にわたるという社長や専務、他の社員との会話記録だ。音声データを書き起こしたもので、その一部を抜き出してみると……。
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