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1997年2月18日のテレビ欄(出典:『テレパル』第4号・東版)

“美容師”稲垣吾郎が迫られる! 30代沢口靖子・40代篠ひろ子・60代野際陽子から「抱いて」~1997年『彼』より/懐かし番組表

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懐かし
1997年2月18日のテレビ欄(出典:『テレパル』第4号・東版)

地上デジタル放送化に伴い、テレビ番組表というものから遠ざかってしまった人もきっと数多いだろう。WEBメディア『テレビPABLO』では、そんな大人のためにかつての番組表を紐解きながらタイムトリップをお届けしたい。ウン年前の今日、夢中になって観ていたテレビは何だったのか? テレビ情報誌『テレパル』(小学館刊)の番組表と共に、当時の世相を振り返ってみよう――今日は1997年2月18日にタイムスリップ。

20年前の今日、1997年2月18日の『テレパル』番組表からはフジテレビ22時『彼』にスポットを当てる。主演は篠ひろ子。当時48歳、まだそんな言葉はなかったが“奇跡のアラフィフ”としてオトナの色香を放っていた篠ひろ子にとっての“彼”役には23歳の稲垣吾郎。まだ“カリスマ美容師”ブームのちょっと前。木村拓哉よりも早く美容師の役を演じたのはゴローちゃんだった。

舞台は神楽坂。昔の花街の名残を残す料亭街、三味線の流れる路地……風情溢れる大人の街、神楽坂は今でこそ全国区の観光名所。20年前も人気はあったが、当時はまだ全国区の人気スポットというほどでもなかった。ドラマ『彼』はそんな神楽坂を舞台に、篠ひろ子、沢口靖子、野際陽子が年下の稲垣吾郎を巡るオトナの女性の恋の行方を描いた。主題歌はダイアナ・ロスの『Promise Me You’ll Try』。

1997年2月18日『彼』(フジテレビ/関西テレビ制作)/ゴローちゃん争奪戦は凄まじく、野際陽子も参戦!「抱いて」と後ろから迫る場面も

  • 『テレパル』1997年第4号・東版の表紙
  • 『彼』(フジテレビ)/1997年2月18日のテレビ欄(出典:『テレパル』第4号・東版)

岡本俊矢(稲垣吾郎)は大手美容室チェーン「麻生美容室」の美容師だったが、恋人が同僚にレイプされ自殺したことから同僚をハサミで刺し、店を去った。俊矢は神楽坂で知り合った芸者・和田涼子(沢口靖子)の紹介で彼女がいきつけの美容室「マドンナ」を紹介される。「マドンナ」店長の滝井小夜子(篠ひろ子)はどこか陰のある若い美容師に興味を持ち、俊矢を雇うことにする……。

まだ駆け出しの美容師ながら自分のセンスに絶対的な自信を持つ俊矢は、店長の小夜子に対し「流行なんか関係ないっすよ。俺が世界を変える」と宣言するほど生意気だ。そんな俊矢の若さに、小夜子は惹かれていく。芸者の涼子もまた、8歳年下の俊矢に吸い込まれるように、芸者のテクニックを使って俊矢を誘惑する。

スーパーアイドルSMAPの23歳ゴローちゃんが、30代の沢口靖子、40代の篠ひろ子に愛でられ、どうなっていくのか……当時のゴローちゃんファンには、相手が10代20代じゃない“オバサン”だからさほどヤキモキせずに安心してドラマの行方を追うことができただろう。

しかし、驚きなのはこの“オバサン”によるゴローちゃん争奪戦に、まさかの野際陽子が参戦したこと。野際陽子といえば当時は姑の役が多かった“アラカン”女優(ドラマ当時61歳)。元々美人であるとはいえ、23歳のアイドルにときめくことになるとは。

野際陽子が演じたのは、「麻生美容室」の社長・麻生陽子。下の名前が同じだ。陽子は目の前で着替える俊矢をまじまじと見つめ、「お前のカラダを見てると、気持ちだけでなく体まで若くなる気がする」。怖い怖い。さらに俊矢と涼子の関係を知った陽子は、悲しそうにこう呟くのだった。「私はもう中年、でも彼女(涼子)は彼とは8つしか離れてないまだ30歳……」。さらに、美容室で俊矢と2人きりになった時、後ろから突然抱きついての「抱いて……」。

細身の黒いパンツに黒(ときにはベージュ)のセーター、アンニュイに垂らした前髪。セクシー全開だったゴローちゃんが年上にモテまくったドラマだった。時を経ることあれから20年。稲垣吾郎は昨年の『不機嫌な果実』(テレビ朝日)でのヒロイン・麻也子(栗山千明)のマザコン夫役をエキセントリックに演じてインパクトを残している。

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1982年、『テレパル』創刊準備のために編成された、テレビ局専門取材チーム。各テレビ局ごとに担当がいて、毎日テレビ局の広報や宣伝部を拠点に局内を徘徊、情報収集。その情報を元にテレパルの特集や番組表や番組紹介記事を制作していた。「その日に仕入れた情報はその日のうちに処理する」ことが宿命だったため事務所は“不夜城”となっていた。名刺に使われている「IS」の緑のロゴは、メタリックでキラキラしていて、テレビ局員の印象に残っている。

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