長崎県佐世保市にあるNHKの業務委託会社に所属していた平田伸男氏(仮名)が、受信料詐欺に関する新たな手口を明かした。
平田氏は「死んだ人を生きているかのように見立てて、契約を取ったこともある」と語る。
「昨年11月に、ある受信料滞納者のお宅を訪ねると、その人は既に亡くなっていて、代わりに息子だけが家に住んでいたんです。会社に指示を仰ぐと、『契約数が欲しいので父親を生きていることにして、支払い再開の契約書に父親の名前を記入させろ』と言われた」
息子自身は過去に受信契約を結んでおり、本来は父親の滞納分を引き継ぐ義務はない。さらに生活保護受給者で日頃の生活もままならないばかりか、自身で契約書にサインもできないような状態だった。
息子本人が語る。
「父が亡くなったのは35年も前です。突然、『父に、27万円の滞納分があるので支払ってください』と言われて驚きました。訳も分からぬうちに、契約書にサインを代筆されてしまった」
「故人契約」を巡っては、全国各地で被害者が出ている。受信料問題に詳しい、弁護士の西山寛氏が語る。
「徴収員が被害者を騙していたのであれば詐欺に当たります。ただ受信料の被害は、目撃者がおらず立証が難しい。過払い金のための裁判も起こせず、泣き寝入りしている人は多い」
NHK広報局に問うと、「個別に事実関係を確認のうえ、適切に対処させていただきます。訪問員の対応に問題がある場合は、委託先への指導を徹底してまいります」と回答した。
週刊文春2月23日発売号では、他の被害者の証言など、受信料の「故人契約」について詳報する。
不祥事続きの上田新体制 (C)共同通信社
高市大臣は「文春で知った」 (C)山元茂樹/文藝春秋
受信料の契約書 (C)文藝春秋
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