webディレクターの阿呆な研究

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「デザイン思考“以後”と、クリエイティビティの行方」で、ノンデザイナーがデザインに関わることの行方を考えた

「デザイン思考“以後”と、クリエイティビティの行方」というイベントに参加してきました。
今、自分がデザインに関わっていく場所について、未来について、手を尽くして考えたい期間になっています。

「得意なことを捨てないと、先に進めない」という、二年前くらいに浅野先生に言われた言葉が最近ずっとぐるぐるしています。
先に進むの『先』って何なのか?
何を『捨てる』のか?

何を残したいんだろうなあ。

気になったトピック

実験をする場所をつくる・営む

武山先生(慶應大学) の話の中ででてきた、(失敗がゆるされづらい)政府の中でどうやって実験・学習していくのか?という点。
影響のない独立したラボで失敗し、学び、成功したものを実行にうつすというプロセスを経るという話があり「ラボってそういう位置づけだったのか」と、(ちょー今更ですが)納得しました。

ところで、そうしたラボっていったいどんな組織なのでしょうか?
日本だと、どういうかたちなんだろう?どこなんだろう?

ここ、もっと詳細をきいてみたいし、関わるデザイナーの姿が、たぶん自分が次に進みたい場所なのかな?と感じています。
専門家知識というよりは、プロセスを築くことができる『デザイナー』が求められている、という話に関しても、いち現場(ファシリテーショングラフィッカーとして)肌感覚としては通ずるものがありました。
そのプロセスをつくるための一つの道具として求められているのが、ファシリテーション、および可視化の手法。

今回のディスカッションでも、終わった後参加者同士で話してた時、「それはデザイナーというより、経営企画では」という話が何度もでてきました。
結局プロセスを作るということをつきつめると、『営む』ということでもあり、関わる手法としては『コンサルティングとしてかかわる』『社内で事業を経営をする』の二択になるのかもしれません。
私はwebデザインの現場にかかわって12年くらいたちますが、『デザイン』はしていても『営む』行為はしていないなー、と常々感じてもやもやしています。

問題解決か、価値創造か

佐宗さんのお話であった「創造的問題解決というより、ビジョンドリブンのイノベーションにひかれるようになった」という話が印象的でした。
特に、「目の前のところにあわせすぎて、問題解決ばかりをしているとすさむ」という話。
絶賛すさんでいる自分としては、もう笑ってしまいました。

デザインで事業会社の問題解決をしたいと思って転職し、特にUI開発にかかわって6年。
仕事は担っている分はしっかり対応して問題の解決はできるし、残業ほぼない働き方だし、一緒に働いている上司も同僚も周囲の人々も好き。
でも、日に日にすさんでいく自分がいたのです。

すさむ理由は明確で。
「自分がこの会社のビジョンに対して…というか、旅行業界という業界・生態系に対して何かしていきたいモチベーションがあるか?」というと、NOなのです。
もちろん旅行業界好きだし、ユーザーとしても非常にすきだし、デザイン作るうえでの仕組みを学ぶこともとっても楽しいのですが。
NOなのです。完全に。

数か月前、一緒に仕事をしていた他部署の上司にいわれた「あなたは受け身だよ」という意味をずっと反芻してたのですが、ようやくその意味がわかってきました。

生態系全体を見て何かをする、動く、営むという心構え(判断指標)がない。
心構えないくせに、「何をつくるか」から考えなくては・・・という気持ちだけはある。
そこそこ目の前の問題解決はできるしやれてしまうから、今のままでもいいんじゃないかとも思う。
目の前の問題が難しければ難しいほど燃えるし、うれしく感じる。解決できる自分が誇らしいと思う。

でも、広い生態系の中で解決すべき問題は?ときかれると、答えられない。
社会とつながってはいない。誰かにつなげてもらう必要がある。つなげてくれる人を待ってしまっている。
その姿勢が受け身なんだと。

調和に疲れたら挑発、議論をまきおこす

最後のセッションで、これからのデザインの話をしたときに、「provoke」というキーワードがでてきました。
議論をまきおこす。挑発する。問いかける。
調和するためではなく、デザイン側が議論をまきおこそうぜ、という話でした。

新たな価値をつくっていく、ということを考えるとしたら。
生態系全部を見たときに、何を今社会でつくっていくべきか?というのから考えていくのがビジョンドリブンなありかたなんだろうなと思います。
インハウスのデザインをしてくのとは根本的に異なる問を自分にも社会にもなげかけて議論をまきおこしていく必要があるわけで。
その波紋から、きっと新しい平衡がうまれていくのでしょう。

ノンデザイナーである自分がprovokeしたいことって?
そう思うと、クリアに一点やりたいことが見えてきました。
素晴らしい先人たちが世の中にはいるし、自分ができることなんてたいしたレベルじゃないかもしれないけど、でも自分が今やるべきこと。

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デザイン思考についての思索的な話の会でしたが、考えさせられる問いとたくさんであえて、社会と自分自身の未来をみつめるのにとても良い機会でした。
上平先生、オーガナイズありがとうございました!

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