ジャイアントキリング、DAYS、アオアシ、さよなら私のクラマー……すでに名作と呼ばれていたり、今後呼ばれそうなサッカー漫画が多数連載されている2017年。これらに今やってるキャプテン翼の続編を足して
【連載中】おすすめサッカー漫画5選!
って感じでクソみたいなNAVERまとめが大量に作られてそうなインターネット社会。(実際に作られてるかは知らん)
しかしですね、僕が圧倒的にイチオシしてるのは週刊少年サンデーで連載されているBE BLUES!〜青になれ〜。
ホント面白いの。2015年に小学館漫画賞獲ってたりしてるのに、ここまで注目されない理由ってサンデーだからとしか思えないくらい面白いの。サッカー漫画っていうかスポーツ漫画好きなら絶対読んでほしいの。なので渾身の力を込めて紹介します。
今すぐ試し読みしたい方はこちら。第一話60ページ分が丸々読めます。
偉大なサンデースポーツ漫画たちから受け継ぐ”伝統”
もうどこでも書かれちゃってるのでネタバレしちゃいますが、天才サッカー少年の主人公の一条龍くん、2巻で親友をかばって階段から落ち、ほぼ再起不能の大怪我を負います。ポストゴールデンエイジの大事な時期をリハビリで丸々棒に振り、ボールタッチの感覚は一生戻りません。
自分が大怪我するっていうパターンはあんまりないですが、事故で主人公に近しい人が亡くなるパターンはサンデースポーツ漫画にはいくつもありましたよね。タッチとか、MAJORとか、サッカー漫画だと俺たちのフィールドとか。MAJOR読んで「これ俺フィーのパクリやんけ!」って思った記憶が蘇ります。マガジンだけどエリアの騎士もそうですよね。
そんな偉大な先人たちを意識してると思うんですけど、BE BLUES!では階段から落ちそうになった親友は死にませんでした。「オマエの無念を晴らすために天才の俺が日本代表をワールドカップ優勝させるゼ!」って展開でもまあよかったと思うんです。でもそうはしなかった。BE BLUES!は元天才がとにかく熱く努力を続ける漫画にするよという表明です。努力部分がマジで半端ないんですが、汗臭さは絵柄の綺麗さで中和されてていい感じです。
スポーツ漫画一筋のベテランが描く、ひたすら丁寧な物語
作者は田中モトユキ先生。リベロ革命!!(バレーボール漫画)、鳳ボンバー(野球漫画)、最強!都立あおい坂高校野球部(野球漫画)と、ひたすらスポーツ漫画を描いてます。あおい坂高校野球部は講談社漫画賞も獲ってるし、全26巻の長期連載です。
僕は田中先生の漫画が前から好きで、全部読んでます。だからこそ嫌な書き方しますけど、"普通に面白い"漫画を描く人だと思ってました。意外な展開や、とんでもなく盛り上がる展開はないものの、毎週安定して面白い。丁寧にキャラクターを描写して、絵もうまい。普通に面白い。でも、それ以上のモノはないのかな、と思ってました。
BE BLUES!はすでに既刊26巻。あおい坂高校野球部を超えて、田中モトユキ漫画の最長連載記録を更新中です。超えているのは長さだけではなく、内容も。奇抜な設定や、キャラを壊す方向の進化ではなく、田中先生らしい丁寧な漫画として深化しています。
細かい心理表現や絵のスキル向上などの面はもちろんあるのですが、BE BLUES!が一番ハマっているのは物語の展開するペース。冒頭で小学生編、9巻までかけて中学生編、そこから現在まで高校生編と、年月の進み方がだんだんゆっくりに=試合などの描写が緻密になっています。
続けて読んでるとこれが心地良い。2巻での大怪我という怒涛の展開から、中学生編をある程度コンパクトにまとめ、高校生編をガッツリ読ませる。
あまりにガッツリすぎるし、『BE BLUES!』は、高校サッカーが舞台となりますという記述もあるので、「青になれとか言っときながら代表編なしで終わってしまうのでは?」と思わされますが、そうなった場合は高校の名前が武蒼高校なので「武蒼からサムライブルーを目指すぜ!蒼だけに!俺たちの戦いはこれからだ!」って感じで終わるのでしょう。でも武蒼のユニフォームは白です。ふざけんな。フル代表でワールドカップまで描いてくれ。頼むから。かといって高校生編の2年生3年生の時期をスキップしないで欲しかったりもする。読者はワガママです。
きっと、もっと売れれば……70巻くらいまで描いてくれる……!!みんな単行本を……買え……!!ある程度ヒットしておけばMAJORみたいに二世編だってある……!!
こちらで高校生編の4話分が試し読みできます。いきなりのラッキースケベあり。
今一番女の子がかわいいサッカー漫画でもある
ライバルの桜庭くん(浦和レッズジュニアユース出身。他にもマリノスジュニアユース出身のキャラなんかもいるんだけど実名使っていいのだろうか)がクセ強い生意気男子で大きなお姉さんもいろいろ捗るとか、もっと紹介したい要素はたくさんあるのですが、もういい加減長くなってきたのでかわいい女の子の表紙を貼って思考停止しようと思います。
ポニーテールでユニフォーム姿って狙いすぎだろ。100点。
サッカー漫画でホイッスルくわえてる表紙のなにがいけないんですか?と開き直るその態度にイエローカードだ!!!!
「えー追加1万でキス?どうしよっかなー」とか汚れたキャプションを付けたくなったやつは地獄に落ちろ。(行ってきます)
書き忘れましたが、一条龍くんはハーレムルートに突入しています。
幼馴染、ハーフ、ポニーテールとよりどりみどり。上のメガネはハーレム加入してませんがメガネを外すと目が3になるド近眼かわいい先輩マネージャーです。どうせ卒業したらサッカー部の同期と結婚してて子供抱きながら日本代表の試合をテレビで見てるコマとかしか出番がないんだろうが!!!「龍……頼む……!!決めてくれ……!!」みたいな場面でさあ!!他にも歴代の登場キャラクターがブワーっと出てくるんだろうが!!でもこのメガネいいキャラだから記者とかタレントとかにしてプロ編になってもコンスタントに出してくれ!!ありがち!!スポーツ漫画で高校生編のキャラを卒業後も継続して出すための進路として記者はありがち!!!!!
すみません、取り乱しました。
ということで、今一番面白いサッカー漫画であるBE BLUES!〜青になれ〜を全員全巻買ってください。怖いんだよ……!!打ち切りが……!!高校生編で打ち切られても青年誌でプロ編代表編やってくれればいいけど、そんな可能性ほぼないだろうがっ……!!田中先生、少年誌にこだわりありそうだし……!!編集部に「先生の描く女の子かわいいんで、そろそろスポーツ漫画じゃなくてラブコメ描きません?絶対売れますよ。ほらToLOVEるみたいな感じでちょっとエッチな感じにして」とか言われたら終わりだろうがっ……!!
まあ、それならそれで読みたいからいいか。(よくないからみんなでBE BLUES!を応援しましょう)
BE BLUES!~青になれ~ コミックセット (少年サンデーコミックス) [マーケットプレイスセット]
- 作者: 田中モトユキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
……ここで終わっておけばよかったんでしょうが、どうしても書きたいことが残っているのです。
スマホゲーが信じられないほど酷い出来
ここまでさんざん褒めまくったのに、ネガティブな話題を最後に突っ込むのにはそれ相応の理由があります。せっかく作られたスマホのゲームがとんでもないクソゲーなのです。
原作絵そのままのタイトル画面。~画面をタップでプレイ~の文字から漂うやる気のなさ。
ゲームを始めるといきなり自己紹介を始める一条龍くん。画像が白黒なので遺影のようになってしまってます。主人公なんだからカラー原稿の素材いくらでもあるだろうよ。
何も考えずにフリックしまくってボールを打ち込み続けるPKゲーム。ゴール時に火花があがっていますし、質感から考えてボールもゴールネットも鋼鉄製と思われます。キーパー無駄に躍動してますが多分これはボールを避けてます。危ないからね。
PKゲームでポイントを貯めると他のミニゲームがプレイできるようになります。いらすとやさんの絵っぽい敵キャラと左右の壁にぶつからないようにするだけのドリブルゲーム。ハッキリ言います。つまらないです。原作要素も全くないし。
この他にも3つのミニゲームがありますが、PKゲームでたくさんゴールを決めないとプレイできません。一番最後のミニゲームはPKを3万5千本決めないとプレイできないので、おそらくテストプレイヤー以外誰もプレイしたことがないんじゃないか。と思ってツイッター検索してたら3万5千本決めてた人がいました。どんだけ単純作業に時間かけたんだろうか。マゾい。
スタミナ課金制なのに画面下に広告が出ていることなんか、ツッコミどころにさえなりません。このゲームに課金した人って1人でもいるんでしょうか。本当にどういう意図で作られたのか全くわからない。開発の株式会社京風とまとは従業員数が2人。とりあえず低予算で作れと丸投げされ、完成したものを何のチェックもなくリリースしたとしか思えません。
ああ、悲劇ですよ。初のゲーム化なのに、出来上がったのはインターネット黎明期のFlashゲーム以下のクソゲー。なぜ今時こんなモノを作ってしまったのか……予算10万円くらいしかなかったんでしょうか。専門学校の学生に任せてもまだマシなものが完成したと思いますよ。あ、~龍の挑戦~っていうサブタイトルはそういう意味での挑戦ってことか。
この時代にこのクオリティのゲームがリリースされたにも関わらず、全く話題になってないのが逆にヤバさを感じさせます。BE BLUES!はサンデー連載漫画の中ではそこそこ人気があるはずですが、わざわざゲーム化するのにこんなわけのわからないものを出すって、編集部から陰湿ないじめを受けているとしか解釈できません。開発にいくらかけたかわかりませんが、こんなもんお蔵入りにしたほうがマシでしょう。
ということで、編集部が何考えてるかわからない以上、BE BLUES!はいきなり打ち切られるかもしれないし、高校の選手権で優勝したあといきなり異世界に召喚されて悪の帝国を倒すための冒険がはじまるかもしれないわけです。その可能性を少しでも減らすために応援したい。この漫画を円満終了させないのは日本漫画界、サッカー界の損失であると考えるがゆえに。
スマホゲー版の出来に反比例して漫画は本当に本当に面白いんで、本当にみなさん読んで。。アフィ野郎に儲けさせてたまるかって人は他で買ってくれて全然いいからさ……
さらなる蛇足
BE BLUES×サカつく!
— 若林芽衣@サカつくシュート! (@SakatsukuShoot) 2017年2月17日
週刊少年サンデーにて大人気連載中の「BE BLUES」とコラボキャンペーンがスタート!
あわせて「BE BLUESコラボ対抗戦」のエントリー開始しました♪
青梅優人選手が獲得できるログインボーナスや期間限定コラボイベントをお見逃しなく(`・ω・)o pic.twitter.com/BvkKiMsPa4
ちなみに、サカつくシリーズのスマホゲー(シミュレーションではなく中途半端なアクション)でのコラボ企画とかも全く話題になってません。
オフサイド×サカつく!#サカつくシュート では本日より漫画「オフサイド」とコラボキャンペーンがスタート!
— 若林芽衣@サカつくシュート! (@SakatsukuShoot) 2017年1月10日
あわせて「オフサイドコラボ対抗戦」のエントリー開始しました♪
薬丸選手が獲得できる豪華ログインボーナス等期間限定のコラボイベントをお見逃しなく(`・ω・)o pic.twitter.com/AKu3167QT7
オフサイドとコラボしたときも話題にならなかったので、この件についてはどっちかというとサカつくのスマホゲーがヤバいんだと思いますが、もう何もかもヤバすぎて感覚が麻痺している気がします。さようなら。