記者の取材に応じる鴻池祥肇参院議員=東京都千代田区で2017年3月1日午後7時45分、小川昌宏撮影
自民党の鴻池祥肇(よしただ)元防災担当相は1日、大阪市の学校法人「森友学園」の籠池(かごいけ)泰典理事長夫妻と2014年4月に参院議員会館の事務所で数分間会い、陳情を受けたことを明らかにした。同学園は小学校開設のため国有地取得を希望しており、鴻池氏は陳情は取得に関するものだったとの認識を示す一方、財務省と国土交通省への働きかけはしていないとした。夫人から封筒を渡されたが、受け取らなかったという。14年と15年に学園側から政治献金計20万円を受けていたと述べた。
東京都内で記者団に語った。鴻池氏は封筒に関し「一瞬で金だと分かったので、無礼者と言った」と述べ、返却したと説明した。
献金は政治資金収支報告書に記載し、今回の問題の表面化後、学園側に返金しようとしているが連絡が取れていないという。学園が運営する幼稚園で講演したことや、籠池氏との面会は計2~3回だったと認めた。鴻池氏によると、籠池氏は鴻池氏の事務所関係者とも面会していた。「不動産や金などの話」(鴻池氏)をされたといい、鴻池氏は「(事務所は)断ったみたいだ」と説明した。
これに関連し、共産党の小池晃書記局長は1日の参院予算委員会で「自民党国会議員事務所と籠池氏側の面談記録」を入手したとし、議員名を伏せたまま一部を読み上げた。それによると、13年8月に籠池氏が議員側を訪問。国有地借り受けを近畿財務局に希望したが、「学校の場合は購入のみ」と回答されたことで相談を持ちかけた。
同10月には籠池氏夫妻が「上から政治力で早く結論が得られるようお願いしたい」と要望。14年1月には、籠池氏が「近畿財務局と交渉中だが、予算オーバー。売却予定額15億円を7億~8億円に」と希望したという。【高橋克哉、光田宗義】