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小沢一郎×堀江貴文~経済のグローバル化に政治はどう向き合うべきか?

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小沢一郎・生活の党代表と堀江貴文・ライブドア元社長。検察と熾烈なバトルを繰り広げた二人による異色の公開対談が5月上旬、東京都内でおこなわれた。脳科学者の茂木健一郎氏の司会のもと、二人の対話は、政治や司法、経済のさまざま話題におよんだが、なかでも熱を帯びたのは、「グローバル経済と日本の政治」をめぐる議論だ。企業利益の再分配の重要性を訴える小沢氏に対し、堀江氏がグローバル企業家の視点からズバズバ切り込んでいく。そんなホットなやりとりを、ここでは紹介したい。【取材・構成:渡邉一樹】

堀江「グローバル化の進展で、企業は日本人を雇う必要がなくなっている」

茂木:さて、日本をこれからどうしましょうか。個人的な見解ですが、グローバル経済の中で日本を繁栄させていくには、例えば、在日韓国人に対する差別だとか、そういうことを放置していたら、経済もうまく回らないと思います。Google共同創業者の1人はロシア人、YouTubeの設立メンバーにも移民がいる。日本も世界中から優秀な人材を集めないと、日本人だけでは無理ですよ。堀江さんみたいな人が1万人いるわけじゃない。そのためには現状をバッシングするだけじゃなくて、何か戦略が必要だと思いますが。

堀江:私は経済が活性化すれば、それに合わせて現状も変わると思っています。例えば、私自身の話でいうと、またいろいろな会社を作って世の中を活性化させれば、「俺も会社を作ろう」とか「新しい事業をやろう」という人たちが出てくる。

小沢:僕は具体的なビジネスのことは知りませんけれども、経済が良くなれば国民の皆さんも満足するというのは、その通りだと思います。問題はその中身なんですね。小泉政権のときは「成長産業を大きくすればいい。全体が大きくなれば、その配分で国民全体の収入が増える」という議論だったんですが、あれ以来、国民の所得は10%も下がった。

堀江:でも、それはグローバル化が進展したからじゃないですか。これだけITが普及して、中国人の給与と日本人の給与の格差が明確にわかるようになった。

小沢:能力のある人がお金を儲けて収入があるのはいいんですよ。でも、大多数の国民の所得が下がる一方では、「政治」とは言えないんです。その何分の一でもいいので、一般の人も少しずつでいいからレベルアップしていくというのが政治だと思っています。

堀江:日本人と中国人との釣り合いはどうするんですか。

小沢:彼らの収入が上がってもいいんですよ。日本では「企業の内部留保が260兆円ある」とか言われています。でも、経営者・役員の収入は上がりましたが、一般の従業員の収入は下がっているわけですよ。規制撤廃による非正規社員の増大とか、いろいろな要素があるとは思いますが、もう少し分配をしないと・・・・

堀江:その話は、しっくりこない部分がありますね。日本国内だけの閉じた空間として考えれば、その通りだと思います。だけど、いま仕事はグローバルになってきています。例えば、昔は日本で作っていた衣料品も、今はほとんどを中国とかバングラデシュとかで作っていますよね。今のように国際物流網ができたら、賃金の安いほうに仕事が行くのは明確ですよね。そういう状況下で普通に考えると、グローバルな賃金レベルは収斂してくるはずです。世界平均が年収150万円だとしたら、それに向かって近づいていく。それは自然な流れだと思うんですが、日本人だけはそれに逆らおうという話なのか・・・・

小沢:他の人たちだって、上がったって構わないでしょう。

堀江:例えば、年収10万円とか5万円の国も一杯あるわけじゃないですか。むしろ、そっちのほうが多いのかもしれない。そういう人たちまで全員賃金を上げるって、ものすごく大変なことじゃないですか。それをやろうということなんですか。

小沢:そういう人たちの給与が、その国の産業発展によって徐々に上がっていくのはいっこうに構わないでしょう。

堀江:グローバルに考えると、同一労働・同一賃金にはなっていないわけですよ。企業からしたら、日本人じゃなくて、もっと給与が安い人たちに発注したいと思うのは自然ですよね。昔は違ったかもしれないけど、インターネットがこれだけ発達して、メール一本で仕事が発注できるようになった今、企業は日本人を雇う必要はなくなっている。そういう流れで非正規雇用が増え、賃金水準が低下している状況でしょう。小沢さんがいまおっしゃった話でいくと、じゃあ鎖国するのかみたいにはならないんですか。どうやったら解決できるのか知りたいです。

小沢:企業に、配分する能力がないなら別です。日本国内の社員の給料を少しでもレベルアップしていく余裕がないとか、金がないとか言うなら別ですが、その余裕は十分あるわけですから。  

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