NHK受信料「強欲徴収マニュアル」を入手
受信料改革に意欲を見せる上田良一会長 ©共同通信社
週刊文春が2号にわたって追及してきたNHKの受信料詐欺。今回、問題の核心ともいえる内部資料を入手した。その一つは、徴収員が訪問先で参照する、お客様対応の“マニュアル”だ。それを読むと、受信契約のためなら強引な手段も辞さない、公共放送のイメージとは程遠いNHKの姿が浮き彫りになる。
例えば冒頭にはこう記されている。
〈少しずつ論点をずらし、クロージング(編集部注・契約締結)をかけられる位置まで相手を動かすイメージで〉
このマニュアルを研修の際に配られ、覚え込んだという元徴収員が解説する。
「最初に受信料とは関係のない話題、例えば好きなアイドルについて尋ね、次に『そのアイドルも紅白歌合戦に出演していた』、『紅白歌合戦も受信料で成り立っている』と話の論点をずらしながら、契約へと結び付けるんです」
さらにマニュアルには、〈人はYESが続くと断りにくくなる〉、〈あえて初めに大きな「NO」をもらい、後で本来欲しい「YES」につなげる〉などとある。
「最初に12カ月前払いの衛星契約の額(24770円)を口にすると断られますが、直後に月額2230円と伝えると、安く感じ、契約を結ぶ人が多いのです」(同前)
ページをめくると、契約を結ぼうとしない客との想定問答集が列挙されている。
ポイントは〈質問形で終わること〉。「でも」「だけど」は禁句 ©文藝春秋
例えば、客から〈受信料高い〉と断られた場合、以下の三つの返答が用意されている。〈【1】受信料の使い道はご存知ですか?〉、〈【2】どういった番組ならお支払いしてもよいと思いますか?〉、〈【3】何に比べて高いと思われますか?〉。質問文で返答することで、相手の発言を引き出すという。その他、〈NHK見ない〉〈携帯電話しかない〉〈反日的な放送なので〉などの断り文句と、それに対する切り返しのフレーズが、60以上並ぶ。
高市総務大臣「速やかに調査を進める」 ©山元茂樹/文藝春秋
NHKに対して、マニュアルを作った経緯を問うと、「子会社が作成したものですが、NHKが指示・監修したものではありません」と回答した。
元日弁連消費者問題対策委員長の澤藤統一郎氏は「放送事業は特定商取引法(旧・訪問販売法)の適用外」とした上で、次のように語る。
「事業者は消費者に正確な情報と、判断するのに十分な時間を与えなければならず、マニュアルに記載されていたことが事実ならば、NHKは消費者保護の理念に反していることになる。トークで畳みかけて契約を結ばせるなどもっての外です」
週刊文春3月2日発売号では、別の内部資料の内容も含めて、受信料詐欺の原因を詳報している。
(「週刊文春」編集部)