東京都議会で28日、各会派による小池百合子知事への代表質問が行われた。自民党は対決姿勢をあらわにした昨年12月の前回代表質問の路線を転換。小池知事への協調姿勢を前面に出した。ただ、答弁に立った小池知事側は自民党に距離を置いたまま。7月の都議選をにらむ双方の思惑が質疑から浮かび上がった。
「提言してきた政策のほとんどが反映されている」。代表質問のトップバッターに立った都議会自民党の高木啓幹事長は、小池知事が初めて編成した2017年度予算案を高く評価。知事が推し進める「無電柱化」についても「わが党と軌を一にする」と主張した。
自民党は昨年12月の代表質問で、それまで慣例だった知事への質問と答弁の事前調整をせず、小池知事が壇上で立ち往生する場面もあった。だが、今回は事前に十分調整したといい、対決姿勢を封印。高木氏は質問の中で「予算の中身は(知事と自民党に)方向性に違いがないことを証明した」と協調をアピールしてみせた。
これに対し、小池知事は淡々と答弁を続け、自民党の主張への評価は一切しないまま。むしろ、高木氏が提案した「個人都民税の10%減税」について、「高額所得者ほど減税額が大きくなる。税の公平性の観点から課題がある」と否定的な考えを示し、突き放した。
代表質問では自民党に続いて公明党、民進系の東京改革議員団、共産党も登壇。それぞれの立場から小池知事に質問する。