仏 大統領選挙に向けフェイクニュース対策本格化

仏 大統領選挙に向けフェイクニュース対策本格化
来月のフランス大統領選挙に向け、地元メディアなどは有権者に正確な情報を届けるため、うそのニュース、フェイクニュースの拡散を防ぐ対策を本格化させています。
フランスでは5年に1度の大統領選挙の1回目の投票が来月23日に行われます。
これを前に、フランスに拠点を置く34のメディアは、選挙に関するフェイクニュースの拡散を防ごうと、IT大手のグーグルと提携し、2月28日にニュースの真偽を確認するための専用のサイトの運用を始めました。

具体的には、利用者から報告を受けたフェイクニュースと見られる記事について、各メディアの記者が事実確認を行ったうえで、サイト上でニュースの真偽や判断の理由などを公表します。フェイクニュースは、去年のアメリカ大統領選挙にも影響を及ぼしたとされ、専用サイトの責任者、ジェニー・サージェントさんは「有権者たちが多くの情報によって混乱するおそれがあるので、正しい情報が得られるようにしたい」と話していました。

フランス大統領選挙に向けては、主要紙のルモンドも記者などで作る専門のチームがニュースの真偽を知らせる独自のサイトを設けています。また、一部のフランスメディアはフェイスブックと提携し、フェイクニュースの可能性のある情報を周知するサービスを近く始めるなど、対策を本格化させています。

間違った情報で投票行動に影響も

フェイクニュースとフランスメディアの現状に詳しいパリ政治学院ジャーナリズム学校のアリス・アントーム副校長は「間違った情報を与えられた場合、有権者の投票行動に影響する可能性がある」と述べ、フェイクニュースの投票への影響を防ぐため、メディアの対策は必要不可欠だと指摘しました。そのうえで、「メディアや記者は、インターネットの利用者がいつ、どこで、どのように情報を入手するのかまではコントロールできない」とも述べ、既存のメディアは、さまざまな情報があふれる中、有権者の信用を得るためには、フェイクニュースだと判断する根拠を明確に示す必要があるという認識を示しました。