キヤノンマーケティングジャパン(MJ)は2月末までに、企業などが作成した印刷物の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにするサービスを始める。他の場所でのCO2削減量(クレジット)を調達し、発生したCO2量を打ち消す「カーボン・オフセット」の仕組みを使う。利用者はオフセット専門業者に依頼するよりも簡単に“CO2ゼロ”の印刷物を発行できる。
キヤノン製の商業印刷機や高速カラー複合機で作成したカタログや広告などの印刷物をゼロ化する。24日までにCO2量の算出根拠となる情報を対象全機種で公開する。A4サイズ用紙への両面カラー印刷だと、1枚9―11グラムのCO2となる。
キヤノンMJが必要な手続きをするため、利用者の負担はクレジットの費用などですむ。クレジットはキヤノンMJが調達したクレジットからゼロ化に必要な量を購入する。ゼロ化した利用者は、印刷物の分を差し引いて国にCO2排出量を報告できる。また、クレジットの購入を通して他の場所でのCO2削減活動を支援できる。
事業者も自らカーボン・オフセットを活用できるが、CO2量の算出を専門業者に依頼する必要があった。また、印刷物のCO2に相当する少量のクレジットは少なく、購入しづらかった。
キヤノンMJはオフィス複合機の使用で発生するCO2もカーボン・オフセットの仕組みを使ってゼロ化している。市場からの要望を受け、同じ仕組みを印刷物にも広げた。経済産業省の制度を活用するため、利用者はゼロ化を示すマークを印刷したカタログなどに表示し、顧客にも訴求できる。
印刷物を“CO2ゼロ化”サービスに
キヤノンマーケ、カーボン・オフセット活用
日刊工業新聞2017年2月22日
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編集局 第二産業部
松木 喬
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松木 喬
2時間前
「J-クレジットの利用が過去最高」の記事を先月、紹介しました。キヤノンMJもJ-クレジットを活用しています。電力事業者は削減量が大きい大口クレジットを購入していますが、小口クレジットは買い手がつきにくです。キヤノンMJのスキームだと小口クレジットも流通しやすくなり、中小企業の省エネ投資が進みそうです。
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