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 「江田さん、よく大蔵省の名前を変えられましたね。どうやって財政と金融の分離をやったんですか。すごいですねえ」

 2013年12月20日。安倍晋三首相は、当時の結いの党結成であいさつに来た江田憲司衆院議員の「橋本行革」の話に食いついた。

 「既得権益を打破して欲しい」。橋本内閣で首相秘書官を務めた江田氏はエールを送った。

 国家予算を握る大蔵省は、中央省庁が並び立つ「霞が関」の中で、長きにわたり盟主と言われてきた。安倍首相の関心は、その名を「財務省」に変え、金融部門を分離した「橋本行革」。夕方の15分間、江田氏との間で、もっぱら互いの財務省に対する「不信感」を語り合い、盛り上がったという。

 江田氏は96~98年、当時の通商産業省から橋本龍太郎首相の秘書官に出向。官邸の権限強化とともに省庁再編で大蔵省を財務省と金融庁に分割する際、激しく抵抗した当時の大蔵官僚と渡り合った。「それまで大蔵省は自分たちが一番正しいと思っていた。どの政権になっても、財務省との間合いが一番大事」と語る。

 予算の配分を武器に、自民党と…

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