京都には12年住んだが、お座敷遊びは一度もしたことがない。
敷居の高い世界だということも聞いている。

祇園は腐る程行ったし、花街も通りかかった。しかし、お茶屋の中に入ったことはない。
「よろしおすなぁ」と、外から眺めるだけだ。

あ、いや、厳密に言えば、一度入ったのか。
でも会食だけで、芸妓はいなかった。


7年くらい前、村上隆さんの「GEISAI」に呼ばれて、その打ち上げの時村上さんと秋元康さんとで話していた「京都芸妓ツアー」の中身がエグくて、俺には手の届かない世界やぁ、としょぼくれて帰ってきた。

でも、あの文化、憧れる。

溝口健二も花街が大好きだった。芸妓と痴話喧嘩をして背中を斬りつけられて、その傷跡を自慢にしていたくらいだ。
彼の作品で一番回数観たのは『祇園囃子』。リバイバル上映で、映画館でも観た。
とにかく若尾文子が本当若くて可愛いのだ。
『雨月物語』や『近松物語』よりも観ている。

それと深作欣二の『おもちゃ』。世評は高くないが、あれも何度も観た。


最近ドキュメンタリーを何本か観て、改めて「よろしおすなぁ」となっている。

非常に歴史的で文化的な「萌え」。
アニメでも絶対映えると思うんだがなぁ。いつかできないかなぁ。