しかし中国は北朝鮮の崩壊までは願わないため、これまで原油支援の中断に自ら言及したことはない。しかし今や状況は変わった。北朝鮮が中国も賛成した国連安保理の度重なる決議に違反して5回も核実験を行い、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射準備を進めた結果、今や北朝鮮は中国の国益にも反する立場に立っている。中国が強く反対する米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備も、元はと言えば北朝鮮が挑発を繰り返すからに外ならない。しかも今後北朝鮮が中国国内で化学兵器を使ったテロ行為に走る可能性も決して排除できないだろう。
事態がここまで深刻になっているにもかかわらず、中国が北朝鮮向けの原油パイプラインをストップする決定的な行動を取らなければ、中国は今なお北朝鮮を支援しているとの批判から逃れられないだろう。中国国防部(省に相当)報道官は今月23日「北朝鮮の崩壊に備えた計画は存在するのか」との質問に「安全保障上の必要に沿って必要な措置を取るだろう」と回答した。ところがこの回答は後に中国国防部のホームページから削除された。中国としてはいつまでもこのような形で現状から顔を背けるわけにはいかないはずだ。米国のトランプ大統領は23日「中国がその気にさえなれば、北朝鮮問題は簡単に解決できる」と指摘した。このように中国にはやるべきことが明確にあり、そしてそれは簡単に実行に移すことができる。中国は今こそそれをやるべき時だ。