【社説】北朝鮮問題の解決、中国は今こそやるべきだ

 不特定の多くの人たちが集まる国際空港に、現存する毒ガスの中で最も危険とされるVXを持ちこみ、これを殺人に使うのは北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長くらいしか世界に存在しないだろう。世界もこのならず者国家に改めて驚愕(きょうがく)しているが、一方でこの北朝鮮が今なお国連加盟国という事実は驚くべきことだ。

 北朝鮮が国家として延命できている理由はただ一つ。それは「中国の後ろ盾」があるからだ。だとすれば中国は北朝鮮の蛮行をもちろん自ら望んだわけではないだろうが、それでもその責任から逃れることはできないだろう。そのため中国は今年の末までという期限付きながら、北朝鮮からの石炭輸入を全面的に中断した。これは金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害されたことを受けた措置だが、その持つ意味合いは非常に大きい。ちなみに石炭は北朝鮮の輸出全体の40%を占めているため、北朝鮮は間違いなく大きな打撃を受けるだろう。しかしこれだけで金正恩氏がその考え方を改めることはないはずだ。中国は北朝鮮が使用する年間50万トンの原油を唯一支援している国だ。中国は丹東の石油基地から全長30キロのパイプラインを使って北朝鮮の新義州にある工場に毎日原油を提供しており、これは金正恩集団にとって命綱にも等しいものだ。そのため中国がこのパイプラインをストップさせれば、金正恩氏もこれまでの方針を見直さざるを得ないだろう。

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