ジャンプの新連載
少年ジャンプで、田村隆平先生による新連載「腹ペコのマリー」が始まりました。詳しくは後述しますが、なんと今作はTSモノです。(※transsexual [性転換])
田村隆平先生といえばアニメ化もされた「べるぜバブ」が代表作。べるぜバブのヒロインであるヒルダもそうでしたが、今作のヒロインも主流の美少女絵柄とは違った、少年誌らしい美少女感があるのが良いですね。
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作者のTS熱
本題に入る前に、TSモノ大好きな田村先生(勝手な憶測)の前作について解説する必要があります。
そんな田村先生が、べるぜバブと腹ペコのマリーの間に描いた読み切りが「タイガー兄とドラゴン」。らんまを彷彿させる美少女が全面に押し出されており、今回はチャイナヒロインかと読み進めたところ、なんと扉絵の女の子は元男が奥義取得の修行の過程で変化した姿であるという展開。
蓋を開けてみると、らんま以上に無理やりなTSっぷりに、大半の読者は困惑しつつもTS界隈は狂喜乱舞。一部の男子小学生の性癖にも多大な影響を与えた事が窺えます。
「べるぜバブ」の作者が、突然上質なTSモノをジャンプに載せたの未だに強く印象に残ってますし、ジャンプはたまに本来二次元ドリームマガジンあたりに載るべき作品が、時空の歪みで読み切りとして発生する時がある
— ㅤ (@nyalra) 2017年2月17日
しかし、TS界隈の応援は虚しくも届かなかったのか、「タイガー兄とドラゴン」が連載になる様子は一向にありません。やはり掲載誌を二次元ドリームマガジンと間違えていたのか!? と不安になっていたところに、今回の「腹ペコのマリー」が、選りに選って主人公がTSするという設定を引き継いで始まった形です。恐るべき田村先生のTS愛。恐らく、主人公が美少女になるという設定はアンケが良かった結果もあると思われますので、少年ジャンプを読んでいる読者層の性癖が心配になってきます。
・プリティフェイス
少年ジャンプでのTSモノと言えば、叶恭弘先生の傑作「プリティフェイス」は外せません。と言っても、身体は男のままなので極めて女性に近い女装が正しいのですが。こちらはヤンキー顔の主人公がバス事故で全身が焼け焦げ、近くにあった写真を元に顔面を復元したものの、その写真は本人でなく片想い相手の写真だった……という設定。
僅か一年の連載でしたが、その期間内で健全な小学生に及ぼした影響は計り知れません。この頃はまだ「To LOVEる」も連載していなかったので尚更。かく言う僕も当時は未精通のガキなりに悶々とさせられました。
突然自分が美少女になって、えっちなハプニングが起きたり、男から性的に狙われたりするのは全男子の夢ですから。
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・NARUTO
この頃のジャンプではNARUTOの「おいろけの術」に魅了されたキッズも多いことでしょう。憧れていた忍者漫画の主人公が突然美少女に……更には影分身と合わせてハーレムともなれば、もう股間が状態2。同人誌界でもサスケの相手にされるのは日常茶飯事で、サクラとの擬似百合本までありました。
知名度から考えるに、NARUTOも数多くのジャンプキッズの意識にTSを植えつけていると思われます。
「腹ペコのマリー」
閑話休題。そろそろ「腹ペコのマリー」の話へ戻ります。
「腹ペコのマリー」は本編で何度も念押して言われる通り恋愛モノです。物語は、主人公が隣の教会に住んでいるヒロイン「アンナ」ちゃんと出会い、恋に堕ちるシーンから始まります。
しかし、お互いの家の関係上二人きりで会う機会もなく、淡い恋心に期待を抱きながら数年の時が過ぎます。
周りの友達が合コンやらで浮つく中、未だにアンナちゃん一筋の主人公。このまま告白すらもできずに初恋を拗らせ続けるのかと思った矢先、偶然にもアンナちゃんが一人きりの場面に遭遇しますが……
初恋の彼女は、明らかに行動がおかしい電波系ヒロインに育っていました。主人公に見られていた事に気づいたアンナちゃんの照れ顔がとても可愛いので、是非ご自身の目で確かめて下さい。
儀式を目撃されたからにはタダで帰す訳にもいかず、困ったアンナちゃんは主人公を共犯者にする方法をとります。この流れるようなギャグの挿入がプロの仕事を感じさせますね。
さて、アンナちゃんが一体どんな儀式を行っていたかと言うと、フランス王朝最後の皇女マリー・テレーズ・シャルロット復活の儀だそう。主人公はこの儀式の生け贄にされる事になりました。
因みにマリー・テレーズは実在する人物。ベルサイユが「べるサイユ」になっているのは、前作のタイトルと絡めた憎い小ネタです。それにしてもアンナちゃんのお父さん、封神演義の通天教主に似ていますね。
紆余曲折あり、儀式の直前で告白できた主人公。アンナちゃんが顔を紅潮させラブコメしているのも束の間、偶然落ちてきた雷に当たってしまいます。
急いで救出しようとしたアンナ親子の前に出てきたのは……
マリー・テレーズの姿になっていた主人公が。まさかの少年誌でTS憑依モノ。更に言えば、この姿のままアンナちゃんとラブコメするなら百合需要すら満たすという隙の無さ。矢張り二次元ドリームマガジンと間違えているのでしょうか。
流れるように初恋からTSする経緯を詰め込んだのも凄いのですが、評価する点は読者を飽きさせないテンポの良さ。今後、元の姿に戻れるのかこのままなのかは分かりませんが、今のジャンプにTS主人公をぶつけてきた上に、面白く仕上げてきた田村先生の実力に拍手。
べるぜバブの田村先生の新連載、読み切りかは合わせて、あの手この手で少年誌で主人公をTS美少女にしたいという熱意に溢れていて凄い……。しかも1話にTSまでの流れを詰め込んだ上に合間合間にギャグも挟んでいて、最近の新連載ラッシュの中でもベテランの風格を感じます
— ㅤ (@nyalra) February 27, 2017
最近のジャンプ
以前このような記事を書き、その中で軽くジャンプについても紹介しました。
あれからジャンプ内も大きく変わり、「ニセコイ」「BLEACH」「こち亀」などの看板作が次々最終回を迎えます。
この記事内で紹介した「鬼滅の刃」「ゆらぎ荘の幽奈さん」「左門くんはサモナー」もすっかり中堅位置に。鬼滅の刃に至っては、奇しくも今週TSしたキャラが登場しました。また、今週のジャンプでの特筆すべき点として、「僕のヒーローアカデミア」「銀魂」で下書き状態が目立ちました。
他にもテコンドーとサッカーを融合させ、「テコォォォン!!」と奇声をあげる主人公という斬新な設定の「オレゴラッソ」が打ち切りに。ジャンプのサッカー漫画は良くも悪くも個性が強すぎます。
因みに今のジャンプでのお勧めは、ジャンプらしくないという意味ではトップクラスな「約束のネバーランド」です。
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オマケでサンデーの話をしますと、ひたすらに可愛い最高の漫画である「魔王城でおやすみ」の新刊が出ましたことと、
退廃した日本でひたすら食材を狩っていく「RYOKO」の新刊が出たことをお知らせします。
両者ともに新人ながらサンデーに新しい風を呼んだ奇才ですので、胸を張ってお勧めします。特にRYOKOは今後どう話が進むのか愉しみです。
去年から良くも悪くも、ジャンプやサンデーは変わっていきました。
今後も沢山の面白い漫画が連載されていくと嬉しいですね。それでは最後に一言だけ……「テコォォォン!!」。