全国に食中酒と銘打った酒が溢れています。しかし、香り系のお酒に比べあまり売れません。それは、お客様が食中酒という曖昧な表現に魅力を感じず、どんな料理と合うのかも具体的にイメージできないからです。
そんな折りに、地元の寿司屋さんより寿司に合う酒を依頼されました。そこで、曖昧な提案ではなく、思い切って紀ノ川や熊野川の清流、紀伊水道や黒潮の海原で獲れた魚に合うお酒を提案したいと考えました。
日本初!!特定の食材にフォーカスした日本酒の誕生です!
寿司には必須のお酒。
辛いだけのガリ、甘味料の変な甘さのあるガリ。付けたような色、香りもなく、味がしないお茶。
寿司屋さんでこんな経験はありませんか?
合わせる日本酒にも同じ事が言えます。
【車坂 魚に合う吟醸酒】は「醤油のように魚に加える旨さを持ちながら、ガリのように口をさっぱりとする後口。」に仕上げております。醤油、ガリ、お茶を超え、魚と合わせてその味わいを至極にする酒です。
魚に合わせる旨味の理想型を、醤油発祥の地「湯浅」の醤油に求めました。
「湯浅醤油」は二度仕込により、豊かな風味と深みのあるコクが特徴の醤油です。この時、地魚に合うのは地酒の個性なのだと確信しました。
当蔵もまた旨味のある味わいを得意としているからです。
魚に合う酒と言われて思い浮かぶのは、「辛口」かもしれません。
日本酒に求められる役割は、口の中の生臭みをとり、口をさっぱりさせる事です。
しかし、この役割ならガリでもお茶でもできるのです。
魚を味わう上で、日本酒にしかできないこと、それは口の中一杯に広がる旨味に新たなアミノ酸の相乗効果をもたらす事です。キレと辛さの酒ではなく、旨味とキレの酒を追求しました。
こうして『魚に合う吟醸酒』の旨味とキレは完成したのです。
ラベルに書かれている魚の文字は、和歌山県の海と川でとれる魚の漢字を季節に合わせて書いております。和歌山でとれる旬に合わせて書いています。(特徴的なのは冬の秋刀魚)珍しい魚も多く、釣り好きだけに限らず、多くの人の好奇心をくすぐるラベルに仕上がりました。
ラベルに書かれた魚を食べる際に、「この魚に合うんだよ!」「この魚を知ってるかい?」「今が旬なんだよ!」といった会話が広がります。ラベルにより人の輪ができるたら大変嬉しいです。
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