ネット通販大手のアスクルは28日、埼玉県三芳町にある物流倉庫で発生した火災で損害を受けた建物や在庫など資産の額が最大で121億円になると発表した。倉庫の建物やソフトウエア、商品在庫などの帳簿価格の合計額にあたる。火災保険や運送保険から保険金が支払われた場合、損失額は最大で46億円程度減る見通し。2017年5月期連結業績への影響は判明し次第、公表する。
16日に火災が発生した「アスクルロジパーク(ALP)首都圏」は2013年に稼働したアスクル最大級の物流拠点で、物件取得時には土地や建物、物流設備などに約192億円を投じていた。
火災発生前の資産の内訳は、建物などの有形固定資産が95億円、ソフトウエアが6000万円、商品在庫などの棚卸し資産が25億円だった。鎮火後に焼損の規模や保険の支払額などを算定し、損失を確定する。
物流倉庫は火災で延べ床面積約7万2000平方メートルの6割にあたる4万5000平方メートルが焼けている。建物や設備などにも大きな損害が出ている可能性がある。
アスクルの親会社であるヤフーも28日、倉庫火災による影響について「連結決算への影響については現時点において未確定であるため、判明し次第、速やかに公表する」と発表した。
ヤフーの連結決算(国際会計基準)に計上されているALP首都圏の建物などの合計額は148億円。2015年にアスクルを連結子会社化した時点で倉庫の建物などを時価評価しているため、アスクルが発表した額よりも資産の額は26億円程度多い。